映画「スラムダンク」人気に韓国社会の複雑な反応 文在寅支持派の人気アナに批判の矛先が

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バッシングを受けた“反日アナ”

 非難の矛先が向けられているのは、韓国の有名アナウンサー、ペ・ソンジェさんだ。1978年生まれの彼は最近、知人たちと「ザ・ファースト・スラムダンク」を観て記念写真を撮り、SNSにアップした。自身が進行するラジオでも以前、「スラムダンク」の漫画を50回以上読んだほどのファンだと告白していて、映画を観たあとで漫画を読み直したいとも発言したのだ。

 彼は文在寅元大統領の熱烈な支持者としてよく知られている。文氏を支持する有名人とも親交があり、文政権が主催するイベントではよくメイン司会を務めた。また自分の祖父が日本帝国時代の独立運動家だと明らかにしていた。2014年に行われたサッカーのブラジルワールドカップ大会で、旭日旗のペインティングを顔に施した日本人サポーターがテレビの画面に映ると、「戦犯旗を顔に描く心理はなんなのか」「チケット代がもったいない」「アジアではナチスの模様と変わらないのでスタジアムから追い出すべきだ」と発言した。当時このニュースは日本にも伝わった。

 そんなペさんに、保守派のコミュニティが非難を浴びせるのだ。「日本嫌いを自称し、人を諭しておきながら、自身は日本の漫画を観るなんておかしいじゃないか」、「選択的反日にへどが出る」という内容である。

日本に行かない、ユニクロ着ない…

 韓国には「クリアン(CLIEN)」というコミュニティサイトがある。文在寅前大統領が所属する政党「共に民主党」を支持するネットユーザーが主に活動している。文政権時に行われた日本製品の不買運動である「ノージャパン運動」をPRし、いまも参加を求めている。運動の最盛期には、日本旅行に行かず、ユニクロの服を着ず、日本のビールを飲まず、日本車を野球バットで打ち砕くなどの行動もあった。彼らが支持するクリアンには、「ノージャパン運動の実践のため、回転寿司を食べに行ってもアサヒビールの代わりに国産ビールを飲み、スラムダンクではなく他の映画を観た」「ノージャパン運動には『スラムダンク』を観ないことも含まれる」「第2の植民地時代を生きたいのか。『スラムダンク』を観るな」などといった書き込みが溢れる。

 なかには、「ザ・ファースト・スラムダンク」の代わりに韓国映画「英雄」を観て、愛国とノージャパン運動を実践しようと言い出すグループもいる。「英雄」は1909年に伊藤博文を暗殺した朝鮮の安重根(アン・ジュングン)の一代記を描いたミュージカル映画だ。残念ながら1月10日時点の人気ランキングで「ザ・ファースト・スラムダンク」を下回り、ノージャパン運動を叫ぶクリアンのユーザーたちの願いはかなわなかったが。

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