村上世彰、コスモ石油株20%取得を通告で“戦闘モード”へ 狙いは業界再編? 金儲け?
一気に“戦闘モード”へ
これには説明が必要だろう。村上氏は通産省(現経産省)時代、石油業界を担当したことがある。元売り業者が乱立していた頃だ。その経験から、石油元売り会社は2社で充分と村上氏は考えるようになったという。実際、5年前に持ち上がった出光興産と昭和シェル石油との統合問題では、反対する出光の創業家に持論を説いて、統合を納得させた経緯がある。
「言うなれば、業界3番手のコスモは存在意義が薄いというのが村上サイドの真意なのでしょう。1月6日の話し合いでは、洋上風力発電など将来性のある事業を否定し、今度は株主還元の話ばかり。もちろん、コスモ側としては受け入れられない要求です」(同)
業を煮やしたのか、村上氏側はここで20%以上の株を取得すると通告。これに対してコスモ側は第三者の株主に新株予約権を与えるなどの買収防衛策(ポイズンピル)を決議、両者は一気に“戦闘モード”に入る。
気になるのは、今回、村上氏が政治力も匂わせていることだ。
「話し合いでは村上氏自身や、経産省の大物事務次官経験者をコスモの社外取締役として入れることを強く求めています。経産省の黙認があるとも受け取れる提案でした」(同)
業界再編と金儲けのどちらが本当の目的なのか。それとも両方狙っているのだろうか。