鳥インフルエンザの急拡大で鶏卵価格は2倍に…新たなパンデミックが発生するのも時間の問題か

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人工ウイルスが外部に流出?

 H5N1型は全身に症状があらわれ、致死性が高いのが特徴だ。病原性が高いまま人に感染するタイプになると仮定して、政府が導き出したH5N1型による死者数は最大64万人だった(現時点の新型コロナによる死者数の約10倍)。

 研究者の間で「H5N1型インフルエンザのパンデミックが発生するのは時間の問題だ」との危機感が募るばかりだったが、2010年半ば頃からH5N1型の流行は急速に衰え、その影はまったく見えなくなった。

 自然界から姿を消したかに思われたH5N1型が復活し、以前をはるかに凌ぐ規模で大流行しているのが現在の状況だ。その理由は定かではないが、人為的な要因が関係しているのではないだろうか。

 新型コロナの起源はいまだに明らかになっていないが、「機能獲得実験によって誕生した『人工』のウイルスが研究所から漏出した」との説が有力になっている。

 H5N1型インフルエンザウイルスについても2012年に機能獲得実験が行われていたことが明らかになっており、どこかの研究所で保管されていた人工のウイルスが外部に流出し、大流行につながった可能性は排除できないだろう。

 いずれにせよ、流行すればするほど、脅威となる変異型が出現する確率は高くなる。

 来年度に設立される政府の感染症対策の司令塔、内閣感染症危機管理統括庁の喫緊の課題は、H5N1型インフルエンザに関する危機管理なのではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮取材班

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