鳥インフルエンザの急拡大で鶏卵価格は2倍に…新たなパンデミックが発生するのも時間の問題か
鳥インフルエンザが日本列島で猛威を振るっている。
今季(昨年秋から今年春まで)、既に殺処分の対象となった鶏は1000万羽を超え、過去最多になっている。
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日本での流行の要因は欧州を始めとする世界各地での蔓延だ。
欧州では本来終息期とされる夏も感染が続き、再び流行期を迎える異例の事態となっている。欧州で流行した鳥インフルエンザは2021年秋に大西洋を越えたとみられ、米国での昨年以降の家禽の殺処分数は約5800万羽と過去最悪の水準となっている。
日本での感染急拡大の原因は、欧州の野鳥の夏の営巣地であるシベリアからやってくる渡り鳥だと指摘されている。
鳥インフルエンザの急拡大は鶏卵の卸値に悪影響を及ぼしている。
JA全農たまご(東京・新宿)のMサイズの卸値の今年1月の平均は、1キログラム270円を超え、前年同期の約2倍となっている。
昨年夏頃から養鶏農家はエサ代高騰による採算悪化から鶏卵を減産しており、卸値はじりじりと上昇していた。これに加え、採卵鶏の大量処分による供給減が重なり、18年ぶりの高値だ。
卵を大量に使う食品加工企業もコストの増加に直面しており、価格に転嫁せざるを得ない状況となっている。
昨年12月の消費者物価指数は前年比4.1%増と41年ぶりの高い水準となった。
食品の値上げに拍車がかかっている中、「物価の優等生」と言われてきた鶏卵の価格高騰はなんとも頭の痛い話だ。
だが、鳥インフルエンザは、物価高よりも深刻な問題を引き起こすかもしれない。
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