なぜ「ルフィ」はフィリピンの収容所でやりたい放題だったのか…背景にある「公務員の問題」をマニラ在住歴10年の記者が解説

国内 社会

  • ブックマーク

 フィリピンの収容施設で、特殊詐欺や強盗の差配をしていた「ルフィ」こと渡辺優樹容疑者(38)。彼らは職員に賄賂を払うことで、携帯電話ばかりでなく、タバコ、酒、麻薬も自由に入手できる環境にあった。ノンフィクションライター・水谷竹秀氏が「カネを払えば何でもあり」な収容所の実態を解説する。

 ***

 私はフィリピンで2004年から10年以上、邦字紙「日刊まにら新聞」の記者として働いていた。その間、担当していたのが入国管理局だった。日本の警察に手配され、高跳びした逃亡犯がフィリピン当局に拘束されるたびに、いまニュースで連日取り上げられている「ビクータン収容所」へ面会に通っていた。...

つづきを読む