アフリカの風俗店でよく日本人漁師がぼったくり被害に遭う理由【元公安警察官の証言】

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暴れ出した強者

 中には法外な料金を請求されて、暴れ出した強者もいる。

「日本人の漁師の中にはレスラーのように頑強な体の人もいます。とんでもない額を請求されて、かっとなって暴れ、店の壺を壊して逮捕されてしまいました。彼は領事官通報(海外で逮捕された時、その国の日本大使館の領事に面会を求める制度)を希望したので、私が面会に行くことになりました」

 勝丸氏が現地警察の留置場に赴くと、漁師は「早くここから出してくれ」と言い出した。

「この国は犯罪が多発していて、留置場は犯罪者ですし詰め状態でした。薬でラリッている人もいれば、凶悪犯もいます。その漁師はゲイから狙われているようでした」

 留置場には囚人が入りきらず、署内の廊下にあふれていた。

「留置場がいっぱいなので、毛布にくるんで、ロープで簀巻きにされたり、廊下の柱に紐でくくられた犯罪者もいました。漁師は『退職金を前借りしてでもお金は何とかする。早くここから出して欲しい』と言うので、弁護士を紹介しました」

 この国は性風俗が盛んで、成人の10人に1人はエイズに感染しているという統計もある。

「そのため日本から来た男性には、女性との行為はやめて欲しいといつも注意をしていました。ですが漁師たちにはあまり聞く耳を持ってもらえず、トラブルが頻発していたというわけです」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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