曹洞宗“泥沼内紛”の裏に松山英樹の恩師が 松山、蝉川泰果を接待に利用か

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まさに泥沼の様相

 すなわち20年、大学の元理事長であり、曹洞宗宗務庁教化部長だった喜美候部(きみこうべ)謙史氏ら6名の幹部が連名で宗務庁に対し、懲戒申し立てを行ったのである。

「喜美候部氏と阿部氏はじっこんの仲で、たびたび飲食をともにしています。懲戒申し立ての理由としては、大谷氏が曹洞宗の意向を無視して学長再任の要求をしたり、マスコミに働きかけを行ったりしたことなどが挙げられました。宗務庁監査部は双方の言い分を慎重に調査し、刑事事件での不起訴に当たる“不求審”という決定を出しています」(同)

 しかし、喜美候部氏らはこれに不満を抱いたらしい。

「監査審査会に不服申立書を提出したのです」(同)

 その不服申立書には、

〈かかる抵抗を処分せずして許すことになれば、今後同様の出来事を宗門関係学校において容認せざるを得なくなり、宗制の根幹にかかわる問題となる〉

 とつづられているのだが、

「言い過ぎです。大谷氏はいわれなき懲戒は容認できないというだけの話」(同)

当事者たちに聞くと…

 大谷氏もやられっぱなしではない。昨年10月、懲戒申し立てが名誉毀損にあたるとして、逆に喜美候部氏ら6名に損害賠償を求めて東京地裁に提訴したのだ。

 コトここに至って事態はまさに泥沼の様相を呈している。さて、当事者たちは何を語るか。まず大谷氏は、

「係争中なので、お答えは差し控えます」

 かたや喜美候部氏は、

「(懲戒申し立ては)曹洞宗の役職者上の務めとして、連名で申告したもの。私が個人的に申し上げる立場にはありません」

 改めて曹洞宗に聞くと、

「本懲戒申し立てに東北福祉大学職員(編集部注・阿部氏を指す)の強い関与や意向が大きく影響しているのではないかとのご質問ですが、全く関係ありません」

 双方の主張はひたすら平行線をたどる。開祖道元は出家して悟りを開いたが、後進たちは世俗にまみれた不毛な諍いの最中にある。

週刊新潮 2023年1月26日号掲載

ワイド特集「どうする難局」より

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