初めて2時間50分の壁を破った女性・ゴーマン美智子 マラソンを始めた“意外”なきっかけは?(小林信也)
女性がマラソンを走る? ほぼすべての人が「まさか」と思った。1970年代半ばまでそれが世界の常識だった。五輪の歴史をたどっても、女子陸上で最も長い距離は68年メキシコ大会まで800メートルだった。その800も途中5大会は実施されていない。28年アムステルダム大会で人見絹枝が銀メダルを獲得したが、ゴール後人見も含め半数以上が倒れた衝撃は大きかった。「女性に長距離は不向き」と判断された。
扉を開いたのは、性別を隠し、男性に紛れてレースに出た複数の女性たちだ。...