「自分で書いた小説を、自分で発注、納品、販売」 現役書店員の芥川賞作家・佐藤厚志、受賞後の“仕事ぶり”をリポート!
自分で書いた小説を、自分で発注、納品、販売
そこに、受賞者兼従業員の佐藤さんが東京から戻ってくる。まさに渡りに船! 佐藤さんは店長の命を受け、版元にわずかに残っていた予備の在庫35冊を書店員として“発注”し、伝票とともに両手で抱えて新幹線に乗り込んだ。
21日午後に凱旋出社した佐藤さんは、同僚の温かい祝福を受けつつ、すぐさま納品した自著の“入荷確定作業”に取り掛かった。予約注文が殺到していたため、35冊は予約客に先着順で割り振る。
自分で書いた小説を、自分で発注して自分で納品し、自分で販売するという、異色の芥川賞作家が杜の都に誕生した。
受賞作では仙台を舞台に、震災で大切なものを失った男を描いた。「これからも自分にしか書けない小説を書きたい」と語る佐藤さん。同時に、本が好きなので書店員も続けたいという。