保育士試験合格 タレント「つるの剛士」さんが考える「幼児教育」と「少子化対策」

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閉鎖的な世界

――具体的にはどんなテーマに関心があるのか。

つるの 例えばですが、最近大きな話題になった保育園での虐待問題。ニュースでは一瞬だけ盛り上がりましたが、ああいった事件が起こる背景にはどういうことがあるのかについて、きちんと伝えたいと思っています。つまり、保育界の実態といいますか。まず、あまり知られていないこととして、保育園の先生方の仕事量ですね。純粋に保育の仕事だけであればそこまで大変じゃないんですが、それ以外の仕事がとにかく多いんですよ。運動会やお遊戯会といったイベントが頻繁にありますし、そのたびに会場の設営から壁の飾りつけまで……。もちろん、保護者の方々からすれば、お子さんの成長を見たいという思いがあるでしょうし、園を経営する側からしても、多くの園児に入園してもらうために、保護者向けのアピール材料を作らなければならないというのもわかります。ただ、それによって保育士さんたちが残業や休日出勤を強いられているという現実もあるわけです。幼児教育の世界はとても閉鎖的で、その実情が世間的にはあまり知られていない。そういう現実をまずきちんと伝えたいですね。もちろん、根本の問題として、人間にとって保育園、幼稚園時代の教育が、その後の人格形成においていかに重要で、その役割を担う保育園や幼稚園の先生方の存在がいかに大切かということも、もっと発信していきたいと思います。

お金のことは気にせず育てられるように

――国が進める少子化対策についてもSNSで発言し、話題になった。

つるの 今の制度の下で、子供をたくさん産みたいとはなかなか言えないと思います。うちには5人の子供がいますけど、実感として、“あぁ、この国は子供を産んで育てたい国だな”とは到底思えません。税負担も所得が多ければ多いほど課せられるし。国は、本当に少子化対策をしたいのかなって疑問に思います。今、政府が検討している給付金制度も、所得制限をつけるとか。何を考えているのかわかりません。

――逆に、どんな制度だと少子化対策になるのか。

つるの まず、所得制限なんてやめましょうよ、と。さらに、子供の数が多ければ多いほど、所得税が減税されるようにするとか、とにかく、継続的に、経済的不安を解消する制度を導入しないと意味がないと思います。昨年末、出産一時金の増額が発表されましたけど、別にみんな、出産費用がかかるから子供をつくらないわけではないんです。生まれた子供が大きくなるまで、継続的に少なくないお金がかかる。それを支払えるかが不安なわけで。まして2人目、3人目となればもっと負担が大きくなる 。そこを、“お金のことは気にせず、安心して育ててください”と言える制度にしなければならないと思います。子どもたちは未来の納税者。将来は我々が支えられる立場になるわけですから。

デイリー新潮編集部

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