保育士試験合格 タレント「つるの剛士」さんが考える「幼児教育」と「少子化対策」

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教育実習のレポート

――実習で大変だったことは?

つるの 座学はともかく、実習では自分の子育て経験を存分に生かせるはずだと考えていたのですが、自分の子供を育てるのと他の親御さんの子供を見るのは全然違いました。実習でまず痛感したのは、そこでしたね。例えば、泣いている子がいるとします。自分の子供だったらパターンがわかるから対処できるのですが、子供たちはひとりひとり、泣き止ませる方法が全然違う。ところが、先生たちはすごいんですよ。まるで魔法使いのように、一瞬で子供たちの心の中に入って行って、ぱっぱっぱっと泣き止ませてしまう。本当にびっくりしました。1ヵ月後にはなんとか、僕もそれを掴めるようになりましたけど。

――その他に苦労したことといえば?

つるの 実習期間中は、毎日毎日、その日にあったことを分刻みで、事細かく手書きのレポートにまとめなければいけないんですよ。<何時何分、●●ちゃんが××をして、こう対処したらこうなった>といった具合です。それを翌日、先生に渡すと、先生からの感想が返ってくる。このレポートがとにかく大変で、出来事を忘れないように、ポケットにメモ帳を入れて、その都度メモにして、家に帰ってそれをまとめるんですね。これを毎日、ほぼ徹夜で書いていました。正直、しんどかったですけど、やってよかったなと思います。レポートには実習のときの経験がすべて詰まっていますから、僕にとっては宝物です。とはいえ、あまりにも大変で疲れる作業なので、そこで保育士や幼稚園教諭への道を断念してしまう実習生も少なくないため、その是非について今、議論になっているんです。たしかに、手書きというのも時代に合ってない気がしますし、こういう慣習も、少しずつ変化が必要なのかな、と思いました。

今じゃない

――いわゆる“中の人”として幼児教育の現場に関わって分かったことは?

 一番驚いたのが、保育園も幼稚園も同じなんですが、子供たちの遊びやお散歩。あれって、ただ漫然とやっているわけではないんですよ。全て、子供たちにこういうことを学んでほしいという“狙い”が込められているんですね。

――遊びやお散歩の“狙い”とはどういうことか。

つるの 例えば、鬼ごっこをやりましょう、となっても、単に子供たちが鬼ごっこが好きだから、というわけではありません。社会性を学ばせるために鬼ごっこをやらせる、と。公園でどんぐりを拾うのも、季節を学ばせるなど、あらかじめ狙いを決めているんです。そういった狙いをきちんと込めて、子供たちに何をやらせていくかを、月ごと、週ごとに計画しているわけです。これまで僕は、単に子供たちを好きに遊ばせているばかりだと思っていました。また、先生は何に対しても注意するわけではなく、争いが起きてもあえて見守ることもある。対応の仕方にもひとつひとつ、狙いが込められているんですね。

――難関を突破して見事、保育士試験に合格。いよいよ、パパ友との約束だった「園の創設」が動き出す?

つるの はい。実際にもう、園を建設するための土地も取得していて、やる準備はできているのですが……。今がそれを行うタイミングか、といえば、そうではないのではないかと考えていまして。というのも、教育の現場もコロナによって随分と変わったじゃないですか。そして、新たに出てきた問題も沢山あるわけです。実際に園を作って子供たちを直接育てる、見守るということよりも先に、もっと引いた目線で、仕組みの部分などを発信していくことの方が大切なんじゃないかと。そのためにはもっと勉強しなければと考えて、4月から大学に編入する予定なんです。心理学の勉強をして、心理士の資格取得を目指そうと思っています。同時に、様々な課題についての提言や問題提起もしていきたいなと。

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