五大医学誌が発表「認知症発症リスクは40%低減できる」 実現するために必要な「五感トレーニング術」とは
友だちとの会話に落とし穴
こうして嗅覚をはじめ、五感を鍛えることで人間らしい活動をいかに保つかが認知症予防の要であるわけですが、最も人間らしい行為といえばコミュニケーションでしょう。
人といかに交流するか。とりわけ社会との接点が薄れやすいリタイア後も、地域活動やボランティアに参加するなどしてコミュニケーションを絶やさないことが重要です。
「私は大丈夫。いつも気の置けないお友だちとお話をしているから」
と、安心されている人もいるかもしれません。しかし、そこには落とし穴が潜んでいます。気心の知れた人とばかり喋っていても、意外と効果は薄いのです。そうした関係だとお互いに大体どんなことを話すかが予測できてしまい、会話によって脳があまり刺激されない。新しいコミュニティーと接することで、脳はより刺激されるのです。
とはいえ、無理をし過ぎるとストレスとなり、脳に悪影響を与えてしまう可能性もあるので、まずはよく行くお店の店員さんに軽く話しかけてみるとか、普段はあまり話さない孫に電話してみることなどからチャレンジしてください。認知症予防のためにストレスをため込み、脳が疲れてしまうのは本末転倒以外の何物でもありませんからね。