高校野球「強豪校」の寡占化がさらに…“格差是正”には、「甲子園大会」の見直しも必要か

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高校野球は変化できるか

 前出の指導者の話を補足しよう。“スタートを変える”というのは、どういう意味なのか。社会人野球の都市対抗本選を目指す予選は、一次予選で企業登録ではない「クラブチーム」によって行われ、それを勝ち抜いた「クラブチーム」が、二次予選に進んで「企業チーム」と戦う。「企業チーム」と「クラブチーム」には力の差が大きく、社会人野球では、説明したような形式を採用している。

 高校野球で、社会人野球の大会形式を導入することは困難だとはいえ、甲子園大会の形式を、抜本的に見直す作業は進めてもいいのではないか。こうした議論になると、“古き良き高校野球”が失われるため、「野球留学を制限すべき」、「球数制限は不要だ」といった意見が出てくる。ここで出た案のように、選手の安全を守りながら、より多くの選手が納得する形に、高校野球が変化していくことを望みたい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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