日銀総裁「次は誰か」を岸田首相はいまだに「検討中」の頼りなさ

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ある種のサプライズを狙っている

 もっとも、これと同時にこんな見方もする。

「この幹部はいわゆる老練・老獪なタイプで、ある種の示唆を与えているようにも感じます。つまり、今回の人事を岸田首相がリーダーシップを取って決めること、ある種のサプライズを狙っていること、です」(同)

 首相が決断するのは当然として、とりわけマーケットは新総裁が誰になるか、金融政策がどう変わっていくかにずっと注視している。

「欧米同様にどこかのタイミングで金融緩和を終了し、金融引き締めに転じることは既定路線とされており、その進め方が新総裁によってどうなるかに注目しているわけです。ハードランディングなのかソフトランディングなのかと。そもそもマーケットは不確定要素を嫌う傾向にあります。サプライズを志向しているとなると、それは株価を冷やす可能性が少なくありません。人事案を提案する前にはもちろん情報が漏れてくるとは思いますが、マーケットが疑心暗鬼になっていることは間違いないでしょう」(同)

女性でもない?

 では、岸田首相は誰を後任にと考えているのだろうか。

「自民党幹部の“いま名前が出ている人たち”がどの範囲まで含めるのかによりますが、少なくとも順当な人事ではなさそうな印象を受けます」(同)

 つまり、名が取り沙汰されている雨宮正佳副総裁や中曽宏前副総裁の起用説をやんわりと否定する。

「サプライズということでいえば、初の女性総裁という見方もあるものの、女性というだけで起用するということもないように感じます。ただひとつ確実に言えるのは、とにかく迷っていると聞いており、現段階でこの人物にというふうには決めていないということですね」(同)

 2月10日頃となるともう時間はない。こんな大事な人事についても、いつものように「検討中」で、いまだ首相の腹が決まっていないというのなら、それもまた悪い意味でのサプライズだろうか。

デイリー新潮編集部

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