日銀総裁「次は誰か」を岸田首相はいまだに「検討中」の頼りなさ

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2月10日ごろに人事を提案

 今年4月で任期が切れる黒田東彦日銀総裁の後任人事について、岸田文雄首相は、交代を前提に2月中に人事案を国会に提示したい旨を明言した。果たして首相に意中の候補はいるのか? いるとしたら誰なのか? もうすでに人事は固まっているのか? サプライズはあるのか? 日本経済の将来を左右する、今国会の目玉のひとつについてレポートする。

「岸田首相はBSの民放番組で、日銀総裁の交代と、2月に人事案を提案することを表明しました。副総裁の人事案と併せ、2月10日ごろに衆参両院の議院運営委員会理事会に示すのではないかと見られていたので、それに近い内容だったと思います」

 と、担当記者。

「総裁の任期が4月8日に満了するのに対し、両副総裁は3月19日。かつてのねじれ国会の影響もあって、そのように任期満了日がズレています。現状、国会のねじれ現象は解消されていますので、新任の正副総裁はすんなり決まり、同時に就任することになりそうです」(同)

いま名前が出ている人たちは選ばれない

 歴代最長となる在任期間約10年を誇る黒田総裁の功績について振り返るのは少し早いが、毀誉褒貶がかまびすしい。「黒田バズーカ」で華々しくデビューを飾ったものの、目標の物価上昇率「2%」を達成できないまま、無念の退任となりそうだ。

「去年12月の消費者物価指数は4%に達していますが、これは資源価格の高騰や円安の影響を受けた一時的なもの。数字的には少し時間はかかりますが、2%以下に落ち着くと見られています。加えて黒田総裁が無念に感じているのは、この間、賃金の上昇を伴っていない点ですね。賃金上昇を伴わない物価の一時的な高騰という想像し得ないイレギュラーな状況で退任するのは、さぞかし心残りでしょう」(同)

 では、注目の新総裁人事に話を移そう。

「ある自民党幹部が“いま名前が出ている人たちは選ばれない”とオフレコで漏らしていました。それを踏まえると予測のしようがありませんね」(同)

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