公式戦で「佐々木朗希」と「村上宗隆」の対決も 新庄監督の「12球団シャッフル案」を大胆シミュレーション

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揺らぐ読売の足元

 しかし、その組織は「絶対に侵すべからず」というものじゃない。面白いことをやるため、プロ野球が新たに発展するためなら、「組織を変えちゃえばいい」だけの話ではないか。会社で言うなら「合併」すれば済む話だ。それをしようとしない、端から無理と一蹴する姿勢が理解できない。そこまでして、守るべき伝統なのだろうか?

 こういう時、常に支配的な力を発揮する読売の足元は揺らいでいる。巨人の全国区的人気は下降している。セパ交流試合も、かつてパ・リーグ球団が実現を切望したのは「巨人とやりたい」からだった。しかし、「人気のセ、実力のパ」と呼ばれた時代も今は昔。最近では「人気も実力もパ」の認識が定着している。プロ野球界の人気地図は大きく変わった。

 今回の新庄監督仰天プランに反対するのは、むしろ独自の努力を重ねて来たパ・リーグの方かもれない。パは6球団が結束。パ・リーグTVなどを立ち上げてファン・サービスを進めてきた。シャッフルした場合、旧セ・リーグ球団がそうした先進的な企画にすぐ乗って来られるかむしろ不安だろう。

プロ野球選手を知らないリトルシニア

 守るべき伝統もある、伝統の良さもある。だが、プロ野球界はもはや古い組織と常識を壊さなければ、いずれ消滅するくらいの危機感が必要な時だと思う。

 私は5年前まで、東京でリトルシニアの監督を務めていた。ビックリしたのは、プロ野球を楽しんで見ている選手が10人中ひとり、いるかいないかだったこと。自分の練習と塾通いで忙しい彼らはプロ野球中継など見ていないのだ! 好きな球団を聞いても返事がない。憧れの選手もいない、プロ野球選手を何人も知らない、そういう子どもたちがリトルシニアで野球をやっているとはさすがに驚いた。プロ野球ビジネスに携わる当事者たちは、それほどの時代の変化をわかっているだろうか?

ヤクルトとオリックスが公式戦で戦ったら

 さて、せっかくだから、「新庄監督シャッフル案」を採用したら、どんなことになるのか、シミュレーションしてみよう。仮に、一方を「ロ・リーガ」、もう一方を「ア・リーガ」とでも呼ぼうか。スペイン語に深い意味はない(笑)。MLBと区別するのにちょうどいい程度の理由。ア・リーグだとMLBと区別がつかず面倒でしょ? ロはロホ(赤)、アはアスール(青)の略。つまり、正式にはロホ・リーガ(赤組)、アスール・リーガ(青組)。緑でもいいけれど「ヴェルディ」になる。読売支配のニオイがするから却下。とまあ、こんなどうでもいい話題でファンが盛り上がるのも楽しみのひとつでよいのではないか。

 勝手なクジ引きで、例えば次の組み合わせになったとしたら?

【ロ・リーガ】北海道日本ハム、千葉ロッテ、読売巨人、東京ヤクルト、オリックス、広島東洋。
【ア・リーガ】東北楽天、埼玉西武、横浜DeNA、中日、阪神、福岡ソフトバンク

 ロ・リーガは、2年連続日本シリーズで大接戦を演じているヤクルトとオリックスが公式戦で戦ったらどんな試合を展開するのか? 新庄マジックは、原ジャイアンツに炸裂するのか? ビジターとはいえ、東京ドームで新庄劇場が見られるのはファンにとってうれしいだろう。佐々木朗希(ロッテ)と村上宗隆(ヤクルト)の対決は「令和の名勝負」と呼ばれる期待も大きい。けっこう、新鮮な見どころの多い、楽しみなリーガではないだろうか。

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