名門・清風高校で生徒が「刈り上げ強制」に反発し人権救済の申し立て 学校側は「入学してから批判されましても」
約80年の歴史を誇る大阪の清風高校は、体操の具志堅幸司や池谷幸雄らが輩出したスポーツ名門校であるだけでなく、東大や京大にも合格者を出す進学校だ。その清風高校の生徒が人権救済を申し立てたと毎日新聞が報じたのは今月12日のこと。
記事によると、生徒が問題にしたのは「清風カット」と呼ばれる髪形だった。清風は中学も併設されている私立校だが両方の校則には〈必ず裾と耳もと全体を刈り上げしなければならない〉などと記されている。刈り上げ部分の長さは3ミリ以下で、毎月1回、生活指導の教師が検査を行う。
今どき刈り上げなんてダサ過ぎる。そう反発した生徒は、1年ほど前、ユーチューブのニュース動画で福岡県弁護士会が「ブラック校則」の見直しを進めていることを知り、同県の弁護士に連絡。そこから大阪の弁護士につながり、昨年4月、人権救済の申し立てに至ったとある。また、同時に生徒は「清風カット」撤廃を求める署名活動を行い、同級生や保護者も含めて約360名の署名を集めたという。
入学してから批判されましても…
そこで大阪弁護士会に聞くと、なぜか、
「一切お話しできません」
との答え。一方、清風学園は、中学入試の時期なので時間が取れないとしながらも担当者が話す。
「毎日新聞さんの取材は昨年ありました。その後、記事が出ないので不思議に思っていたら、今になって報じてきたわけです。うちの中学入試を狙い撃ちしてきたようなタイミングなので困っています」
で、「清風カット」については、
「校則については進学説明会や、筆記試験とは別に行われる面接試験でも説明しており、納得してもらった上で合否判定を出しているのです。それを入学してからダサいとか厳しいなどと批判されましても……」
「刈り上げ批判」の曲を文化祭で
卒業生はどう思っているのだろうか。中学・高校のOBである作家の増田晶文氏が言う。
「私が通っていたのは40年以上前ですが、当時も刈り上げの校則が徹底しておりカッコ悪くて嫌だった。そこで文化祭の時に仲間と『刈り上げブギ』という批判の曲を作って歌ったら、電源ごとマイクを切られ夜7時ごろまで生活指導の先生に絞られました」
それにしても、と増田氏。
「校則が変わってないのも驚いたけど、納得できなければ弁護士を立ててまで“抗戦”するのが今どきの清風の生徒なんですね」