「関東連続強盗事件」の知られざる裏側 実在する“叩き”専用「名簿」「マニュアル」で狙われる高齢者の“丸裸”個人情報

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バージョンアップを続ける「名簿」

「ベースとなるのは、高額の布団や健康食品などの購入者名簿。購入者の多くが高齢者なので、基本データとして重宝されている。同名簿にさらにデパートの外商名簿や“家を最近リフォームした人”のリストなどを照合・加味して名簿の精度を上げていく。これらの名簿はカネに困った内部関係者などが闇サイトで転売していて、入手はそれほど難しくない。また高額布団販売やリフォーム業者に関しては、そもそも我々の“同業者”のような連中も少なくないので、手に入れるのは一層たやすい」(X)

 これだけでも住所・氏名・電話番号や家族構成に加え、ある程度の資産状況も類推できる名簿がつくれるという。

「加えて、過去に投資や振り込め詐欺に遭った被害者のリストや、不動産管理会社から流出したデータなどを“上書き”していくと、かなり高値で売れる名簿が完成する。不動産などの資産を持っている高齢者は大抵、所有するマンションやアパートなどの管理を外部の管理会社に任せているので、入手データをみれば“月々いくらの家賃収入があるか”も分かる。またフィッシング詐欺で得たクレジットカード情報を付け加えれば、購入履歴から最新の経済状況まで把握できる」(X)

「叩きマニュアル」の存在

 こうして名簿の情報は随時“更新”され、新しいリストを入手するたびに情報の精度が上がっていく仕組みなのだという。さらにXは最近の強盗事件があえて「住人の在宅時」を狙う背景をこう話す。

「理由は単純明快で、住人に直接、カネの在り処を聞き出すため。実際のところ、やっている連中は“目出し帽をかぶっていれば大丈夫”など、自分が逮捕される可能性なんてまるで考えてない。実は叩きの手順を記したマニュアルも闇サイトなどで売買されていて〈結束バンドを用意する〉〈ハンマーを使った窓の割り方〉〈効果的な脅し文句〉〈防犯カメラの設置場所と破壊法〉〈タンスは下から開ける〉……などの一通りのノウハウが書かれている。だから最近の叩きは“半グレ未満”のフツーのカネに詰まった若い連中がやっている」(X)

 闇サイトに出回る名簿の売買を取り締まらない限り、凶悪な強盗事件を「未然に防ぐ術はない」とXは断言した。

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