巧妙化する「SNSいじめ」子どもを被害者にも加害者にもしない方法 証拠の残し方、フィルタリングの使い方は?

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「大丈夫」は無責任

 従来のいじめも、ネットいじめも変わりませんが、ネットいじめの方がより見つけづらい、分かりづらいというのはあるかもしれません。しかし、子どもが何をやっているか分からない無責任な親にはなってはいけないということですよね。加害者にしても被害者にしても、親はだいたい「私は子どもを信じてますから」とか、「うちの子は大丈夫です」とか言うんですけど、結局それって、子どものことを見ていない無責任な親から出る言葉です。

 お父さんもお母さんもスマホを持っていますよね? 子どもに使用方法を問う前に、自分たちの使い方はどうか。子どもとの会話の最中にLINEの通知音が鳴ったらスマホを手に取っていませんか? 子どもにスマホやゲームの使用時間を制限しておきながら、起きてから寝るまでスマホを手元に置いていませんか? 今の時代のいじめ、ネットいじめが深刻なのは、親も親でスマホばかり見て、子どもの変化やサインに気が付いてあげられないことにも原因があります。

 子どもがサインを発したらすぐに気付いて、そこに寄り添う。スマホではなく子どもを見る、スマホやネットに関する問題にも一緒に取り組む。オンラインの時代だからこそ、生身の触れ合い、親子の会話が子どもをバーチャルな世界の脅威から遠ざけることにつながるのです。

【構成・大塚一樹】

安川雅史(やすかわまさし)
ICTカウンセラー。北海道出身。1988年から公立高校や私立高校で教鞭を執る。現在は全国ICTカウンセラー協会代表理事。ネットいじめ、不登校、ひきこもり、少年犯罪問題が専門で、全国から依頼を受け講演会、研修会を実施。受講者数は40万人を超える。
「一般社団法人 全国ICTカウンセラー協会」連絡先 TEL:03-6403-4029 FAX:03-6868-5324 Mail:[email protected]

週刊新潮 2023年1月19日号掲載

特別読物「『複雑巧妙』『隠匿』『陰湿』化! わが子を救うための『SNSいじめ』対策」より

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