「罠の戦争」 草なぎ剛の般若のような形相をみて思い出した昭和の名優 登場人物の苗字に秘密
草なぎ剛(48)主演のフジテレビ系連続ドラマ「罠の戦争」(月曜22時)が第2話を迎える。草なぎにとって民放の連ドラ主演は約6年ぶりとなるが、その演技力はいささかも衰えていない。第1話では、草なぎを高く評価していた故・高倉健さんを彷彿とさせる演技も見せた。
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草なぎと健さんが二重写しになった場面
高倉健さん主演の「昭和残侠伝シリーズ」(1965~72年)が記憶にある人たちは、「罠の戦争」第1話の後半で目を見張ったのではないか。草なぎが「昭和――」での健さんによる名場面を想起させる演技を見せたからだ。
草なぎが演じているのは衆院議員の公設第1秘書・鷲津亨。無能な議員の下で20年も堪え忍んできた。その議員とは内閣府特命相になったばかりの犬飼孝介(本田博太郎[71])。鷲津は自分が失業した時に犬飼に雇ってもらったため、義理を強く感じていた。
しかし、鷲津は犬飼から手酷い仕打ちを受ける。1人息子・泰生(白鳥晴都[15])が何者かによって歩道橋から突き落とされ、意識不明となっているのに、犬飼から「事故ということにしろ」と命じられたのだ。拒めば事実無根の横領罪で告発すると脅された。
鷲津は犬飼に対し、淡々と「分かりました」と告げる。服従しているように見えた。だが、妻の可南子(井川遥[46])には本心を明かす。
「あいつらに教えてやる。踏みつけられたら、どれだけ痛いか。教えてやる……」(鷲津)
放送開始から47分だった。鷲津の表情はそれまでの穏やかな顔付きから一変した。まるで般若のような形相になった。頬と唇はわなわなと震えていた。「昭和――」で健さんが悪党たちの非道に耐えかね、怒りを爆発させる瞬間の表情と酷似していた。
「昭和――」の場合はこの時、観客がスクリーンに向かって「待ってました、健さん!」と声を掛ける。般若の形相を見せた後の健さんは火の玉のようになり、悪党たちを片っ端から斬り倒した。鷲津も同じ。怒りに震えたのを境に犬飼への復讐を開始した。
草なぎは健さんを真似たわけではないはず。そもそも真似ようとしても並みの演技力では無理。草なぎは健さんを尊敬し、目標としているから、同じような設定に置かれると、自然と健さんを彷彿とさせる演技になるのだろう。
健さんも俳優としての草なぎを早くから買っていた。共演作は健さんのオファーで実現した2012年の映画「あなたへ」のみだが、2009年には草なぎを窮地から救うために動いた。
草なぎが酒に酔って屋外で服を脱いでしまい、叩かれ、孤立無援となった際、健さんは誰よりも早くジャニーズ事務所の故・メリー喜多川副社長(当時)に手紙を書いた。同事務所は草なぎの当時の所属先である。
「そういうことはみんなあるんです。許してあげてください」(健さんの手紙の一部)
草なぎを励ます手紙も同封されていた。もとから健さんに憧れていた草なぎがますます惹かれたのは自然なことだった。
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