警官、自衛官のなり手がいない! 2744集落が消滅! 少子化に打つ手なし「ディストピア日本」の未来図
すでに始まっている社会の縮小
すでに社会の縮小は始まっている。コロナ禍による一時的な需要の減少もあって誤解されがちだが、ファミリーレストランやコンビニエンスストアの24時間営業の見直しはコロナ禍前から進められてきたことだ。鉄道会社の終電時間の繰り上げや運行本数の削減もそうである。
一極集中が続き人口減少とは無関係のように思われてきた東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)もいよいよ転換期を迎える。東京都は25年に人口がピークを迎えて本格的な人口減少局面に転換する見通しだ。東京圏以外も含めて政令指定都市も人口減少を記録するところが増えてきた。
東京圏の場合、これから高齢化が一気に進む。21年から40年までに高齢者人口は299万2千人増えるが、このうち東京圏が180万9千人で60.5%を占める。
人口減少が先行している地方の企業には東京圏での販売に活路を見出そうとしてきたところも少なくないが、こうしたやり方は長く続かない。
「シェア100%」でも売上減
「ダブルの縮小」など無関係とばかりに、売上高の拡大を目指してシェア争いにまい進し続ける企業はいまだ少なくない。将来的な需要をどこまで織り込んでいるのか分からないような大規模開発も全国で目白押しである。空き家が問題となる一方で新築住宅はどんどん建てられていく。足元の需要に応えていかなければならないという事情もあるだろう。また、大規模開発の場合には関係する企業が多く、人口が増えていた時代に作成された計画であっても途中で大幅に変更することが難しい面がある。だが、人口減少社会で拡大路線を続けたならば、どこかで行き詰まる。
「ダブルの縮小」が続く以上、売上高を拡大しなければ利益を増やすことのできない経営モデルは続かないのだ。シェア争いに勝利したとしても展望は開けない。仮に「シェア100%」を達成できたとしても、消費者数が減れば売上高は減っていく。日本経済に余力が残っているうちに、相当思い切って経営モデルを変えなければ倒産や廃業に追い込まれる企業が続出することとなる。
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