育成契約から這い上がれ! 今年期待される“育成選手”6人の実名【2023年パ・リーグ編】
楽天に移籍した「イースタン・リーグの打点王」
育成出身で昨年新人王に輝いた水上由伸が、リリーフとして欠かせない存在になっている西武。同じ育成ドラフト出身の投手で、今後の飛躍を予感させるのが3年目の豆田泰志だ。
浦和実時代、2年夏の埼玉大会で、強豪・浦和学院を2安打完封するなど県内では屈指の本格派として評判だった。3年夏に参加した「プロ志望高校生合同練習会」で最速147キロをマークして注目を集めた。
1年目は主に体作りに費やしたが、2年目の昨年は、二軍でチーム2位の投球回を記録し3勝をマーク。身長は173cmと、投手としては小柄だが、全身を使ったバネのあるフォームから投げ込むストレートは勢い十分で、内角を突けるコントロールが魅力だ。
今年の西武投手陣は、中継ぎの平良海馬が先発に転向する予定で、抑えの増田達至は、今年で35歳と完全にベテランとなっている状況。豆田は、まずは中継ぎとして一軍入りを目指したい。
昨年は、育成出身の宮森智志が投手陣の救世主となった楽天。今年のチームで、筆者が最も支配下に近いと感じる選手が、巨人から移籍したウレーニャである。
巨人3年間での一軍出場は15試合、わずか3安打に終わったものの、二軍では3年連続で二桁ホームランを放ち、昨年はイースタン・リーグの打点王にも輝いている。
少しタイミングの取り方が淡白なところはある一方で、豪快に引っ張るバッティングは迫力十分で、長打力は申し分ない。守備はハンドリングが巧みで、肩も強く、今年で24歳とまだまだ若い。
チームの野手陣は、右打者の阿部寿樹がトレードで加入したとはいえ、左打者が多い状況は続いている。新外国人のフランコ、2年目のギッテンスが不振となれば、ウレーニャにチャンスが回ってくることも、十分に考えられそうだ。
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