大河オタク・松村邦洋が熱弁する「歴代ベスト5」 家康主人公作品が二つランクイン

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「草燃える」と「鎌倉殿」の奇縁

〈ちなみにこの「草燃える」と同じ時代を舞台にしたのが、昨年末まで放映されていた「鎌倉殿の13人」である。脚本は三谷幸喜氏だ。〉

 毎回かぶりつくように見ていました。こちらも傑作で、今は僕の「草燃える」の記憶が「鎌倉殿」で上書きされているくらいです。「草燃える」は一般には総集編しか見られないのですが、三谷さんは全話をどこかで入手して研究していたそうです。だからそれを「型」として、三谷さんがうまく崩して書いている感じで……。

 最近気が付いたんですが、「草燃える」が放映された1979年はソ連がアフガニスタンに侵攻した年。そして「鎌倉殿」の昨年はロシアがウクライナに戦争を仕掛けた年……。こんなところでも奇縁を感じますね。

第2位は山口県が舞台のあの作品

〈「鎌倉愛」は尽きないが、「草燃える」に次ぎ、松村が歴代大河第2位に挙げるのは1977年に放映された「花神(かしん)」だ。司馬遼太郎の同名小説が原作で、幕末~明治にかけて活躍した長州藩の天才兵学者・大村益次郎を中村梅之助が好演した。〉

 先に話した「風と雲と虹と」の翌年の作品です。当時も熱中しましたが、総集編で見ても、魅力は尽きませんね。

 僕が山口県の出身ということが大きいですかね。登場人物が山口弁で、おじいさんも親父も熱くなって見ていましたね。維新の立役者となった長州藩にも波乱、葛藤、二転三転の歴史があったんだと気付かせてもらいました。

 このドラマの好きなところは主役が3人いること。全体を貫く主人公は大村益次郎ですが、物語の前半は吉田松陰、中盤は高杉晋作、後半は大村益次郎と、魂はそのままに、ヒーローが少しずつ交代していくんです。野球のピッチャーの先発、中継ぎ、抑えのようですよね。三谷さんが後に「真田丸」を書いた時、真田幸村だけでなく、その父、兄も主役級にしました。この構成を三谷さんは「『花神』の法則」と言っていましたよ。

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