ついにコロナ「5類」へ引き下げで大混乱も 専門家に訊いた「医療費はどうなる?」「マスクなしで感染は広がらない?」「ノーマスクで生まれる新感染スポット」

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「ノーマスク」のリスク

 無料で進められているワクチン接種についても、自己負担になると接種率の低下に繋がるとして「無料接種は当面、継続される方針」(同)という。

 一方でマスクに関しては「緩和」の方向で検討が始まっている。現在、屋外でのマスク着用は「原則不要」となっているが、屋内では会話を伴う、あるいは十分な距離を確保できない場合にはマスクの着用が推奨されている。

 岸田首相は春以降、「屋内でも原則、マスク不要」とする意向と伝えられるが、その「メリット・デメリット」について、寺嶋氏はこう話す。

「新型コロナは飛沫感染にとどまらず、エアロゾル感染でも広がるため、マスクを着けることで感染を防ぐ効果が薄れているのは事実です。しかし自覚症状のない感染者が知らぬうちに感染を広げる、“ウイルス拡散”を抑制する効果は一定程度あると考える医師は多い。社会全体で見た時、“マスク着用で感染の広がりを抑える”プラス面についても考慮する必要がある」

減じない高齢者の感染リスク

 しかし年齢や年代によってマスクの意義が大きく変わったのも事実だ。

「およそ3年間にわたりマスク着用が日常化したことで、小さな子供にとって、本来であれば風邪やインフルエンザなどの感染症に罹ることで得ていた免疫の獲得・蓄積の機会が減少しました。子供たちだけでなく、重症化リスクの低い若者にとってもマスクの有用性が失われつつあるのは否定できません」(寺嶋氏)

 他方、高齢者に関しては違う視点からの議論が必要という。

「コロナに感染すると高齢者ほど重症化・死亡リスクが高い点に変わりはなく、クラスター発生の約7割を占めるのも依然、高齢者施設です。そのため一律にマスク着用を不要とすると今後、局所的には大きな混乱も予想されます。たとえば高齢者施設や病院でマスク着用をなくすと、万が一、施設内で感染が広がった際に重篤な患者を多く生み出す危険性がある。また皆がマスクをしなくなった電車やレストランは、高齢者にとって逆にリスクの高い場所ともなり得ます。“ノーマスク”に舵を切る機運が高まっていますが、状況を見極めつつ、段階を踏んでの移行が望ましい」(寺嶋氏)

 マスクを外しても“コロナと共生”する日常は変わらない。国民にとって「悪夢のシナリオ」は“5類引き下げ後に感染爆発”が起こることだ。

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