【100万回言えばよかった】黄色いダウンジャケットの男は霊視ができる?第1話で浮上した4つの謎

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テーマは『100万回生きたねこ』と同じ?

 謎の答えは観る側が納得のゆく形で出るだろう。プロデューサーは「俺の家の話」(2021年)などの磯山晶氏(55)で、脚本はNHK「透明なゆりかご」(2018年)などの安達奈緒子氏。重量級コンビなので、答えを知って拍子抜けするようなことはないはずだ。

 また、最終的なテーマも重量級になるだろう。『100万回――』と同じく、命と愛ではないか。

 井上真央にとって、主演連ドラはNHK「少年寅次郎」(2019年)以来3年ぶり。真に迫る演技を見せた。直木が消えた後の悠依には痛々しいほどの憂いが漂ったが、それにも不自然さはなかった。

 佐藤健と松山ケンイチのコンビも良かった。直木と魚住のやり取りはコメディさながら。頼っている側の直木のほうが高圧的で、助けている側の魚住が振りまわされるのが愉快だった。

 既に2人も死人が出て、悠依も悲しみに暮れた。陰鬱な雰囲気に支配されてしまいそうな作品だが、この2人のやり取りがコミカルだから、そうなっていない。

 今後も期待できる。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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