大手カレーチェーン「CoCo壱番屋」 年に2回の値上げにファンの悲鳴、深刻化するココイチ離れ

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「カレーハウスCoCo壱番屋」といえば、言わずもがな、カレーチェーンの代名詞とも言える存在だ。全国津々浦々に店舗を展開し、さらにはカレーの本場・インドを含む、世界各国にも数多く出店。“ココイチ”の愛称で多くの人々に親しまれる、日本を代表する外食企業の一つである。そんなココイチから今、客足が離れつつあり、苦境に立たされているという。

深刻化するココイチ離れ

 ココイチことCoCo壱番屋は、1978年に愛知県一宮市で創業。味や庶民的な価格もさることながら、ご飯の量やルーの辛さ、トッピングの種類などを客が細かく選べるシステムが評判を呼び、店舗数は徐々に増加。現在は国内で約1200店舗、海外200店舗と、その名の通り“一番”のカレーチェーンと言っても過言ではない。

 そんなココイチには当然、熱烈なファンも数多く存在するわけだが、ここ最近、ネット上では、彼らからの「さすがにもうココイチには行かない」「自分の知ってるココイチじゃない」といった声が多く散見されるようになったのだ。

 経済部記者が言う。

「その原因は、昨年行われた、物価高を背景とした商品の値上げです。しかも、1度ならまだしも、6月と12月の、2度に亘って値上げが敢行されたのです。素のポークカレーでいえば、昨年の5月まで514円だったのが、12月には591円に(東京、神奈川、大阪の値段。店舗がある地域によって値上げ幅が変わる)。もちろん、カツや野菜などのトッピングも概ね20円ほど値上がりしています。昔の感覚で心の赴くままにトッピングを重ねていくと、ちょっとした店のランチと見間違えるばかりの値段になってしまいます。リーズナブルな価格帯で気軽に食べられる庶民の味とは、言えなくなってきているのが実情です」

焼け石に水

 例えば現在都内のココイチで、ポークカレーにソーセージとロースカツをトッピングし、さらに辛さを1プラスすると、あっという間に1266円に達した。昨年5月までだと1126円だから、値上がり幅は実に140円。一気に12%以上の値上がりとなってしまっているのだ。確かに、ファストフードとは言い難い。

「こうした大幅な値上げの背景には、当然ながらコロナ禍による売上の減少や、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした物価高がありますが、さすがに客が離れると思ったのか、トッピングに、ハーフサイズという選択肢を追加。量も半分、値段も半額でオーダーできるようになりました。サイドメニューのサラダについても、少量で低価格なものを登場させています」

 ところが、焼け石に水とばかりに、客足は遠のき、売上は下がる一方。2023年2月期の連結営業利益は、最高益を叩き出した2020年2月期の6割程度になる見込みだ。さらにネットでは、「C&C(都内にあるカレーチェーン)ならロースカツカレーが740円。その方が安く済む」「(牛丼屋チェーンの)松屋のビーフカレーの方が680円で味噌汁も付くのでお得感ある」といった、同業他社への“転向”を仄めかす文言までが数多く並んでいる。

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