ヘンリー王子の「暴露本」行間の読み方 「キャサリン妃vs.メーガン妃」二つの事件が
戦闘で25人のタリバン兵士を殺害
「にわかに信じがたいのですが、チャールズ皇太子から『私が君の本当の父親かどうか誰にも分からない』と言われたこともあったといいます。ちょうどダイアナ妃の元恋人のヒューイット少佐が“王子の父親ではないか”とのうわさが広まった直後で、本書では『非常に面白くないジョークだったが、父は笑っていた。うわさの原因の一つは、少佐が(自身と同じような)赤毛だったこと』などと記しています」
一方で、王室を危険にさらしかねない記述も。アフガンに派兵された12~13年、ヘンリー王子は攻撃ヘリ「アパッチ」の操縦士として当時の反政府勢力タリバンと干戈(かんか)を交えている。
「その際、戦闘で計25人のタリバン兵士を殺害したと明かしています。相手を『チェスの駒』に例え、ボードから取り除くように排除したと述べているのですが、この表現をタリバン側は強く非難している。今後、対英感情が悪化し、本人のみならず王室まで標的にならないとも限りません」
「自然体の米国人」
2千万ドルという契約金と引き換えに大変なリスクを負ってしまったわけだが、英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子氏によれば、今回はキャサリン妃とメーガン妃との“あつれき”も詳述されているという。
「18年5月、メーガンの結婚式ではキャサリン妃(当時・以下同)の娘のシャーロット王女がフラワーガールを務めました。その時、王室の伝統として白タイツをはくべきなのにメーガンが反対してキャサリン妃を泣かせてしまったと報じられ、一方のメーガンは『泣かされたのは私だ』と主張、『タイツゲート』と呼ばれて騒動になりました」
英国では米国のウォーターゲート事件以降、大きなスキャンダルは「~ゲート」と呼ばれることがあるといい、
「本書にはこのタイツゲートより前に二人の関係がこじれていたとの記述があり、こちらは『リップグロスゲート』と呼ばれています」
それは、
「メーガンが結婚前『ファブ4』と呼ばれていた頃です。公開討論会に出席する前、自分が忘れたリップグロスをキャサリン妃に『貸してほしい』と頼んだというのです。まだ縁戚でもなく、まして直接唇に触れるわけですから、キャサリン妃は驚きながらもしぶしぶ貸し、メーガンが返す時にはしかめ面だったと記されています。ヘンリー王子はそんな自然体のメーガンをいかにも米国人的だと好意的に受け止め、その頼みをオーバーに嫌がったキャサリン妃の心が狭いかのように記しています」
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