人気ユーチューバーの広告収入が激減 専門家は「今年は例外なく全員が“解雇”状態に」

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「プレミアム」の衝撃

 NetflixやAmazon Prime Video、Huluといったライバルには、「YouTubeプレミアム」をぶつける方針のようだ。

「『プレミアム』はYouTubeが始めたサブスクリプションサービスで、『個人・月1180円』や『ファミリー・月2280円』など様々な料金プランが用意されています。入会すれば広告なしで動画を視聴することができるので、プレミアム会員が増加するとユーチューバーの広告収入は減少します。さらに、YouTube側が『これは質が高い』と認めたユーチューバーは、プレミアムに囲い込む方針だと考えられています」(同・井上氏)

 再生数や登録者数の観点からは低い評価を受けてきたユーチューバーも、プレミアムサービスでは評価が一転する可能性があるという。

「例えば、教育系のユーチューバーには根強い支持を得ている人が多い。それらの多くは受験勉強に特化したものではなく、『もう一度、地理を勉強してみたい』といった教養講座とか、生涯教育のニーズを満たす動画です。手堅い需要があり、『お金を払っても見たい』という人も珍しくありません。サブスクにはぴったりですし、YouTubeの社会的評価も上がります。大手企業の広告が復活する可能性も期待できるというわけです」(同・井上氏)

改革断行の方針

 もちろん再生数や登録者数がトップクラスの従来型ユーチューバーも、プレミアムサービスに囲い込まれることは充分に考えられる。

「HIKAKINさんの動画はプレミアムだけでしか見られない、という日が来ても不思議はありません。しかも、こうした改革をYouTubeは今年、かなりのスピードで実施すると考えられます。TikTokの躍進や株価を見ると、もっと早く手がけたかったはずなのです」(同・井上氏)

 後手に回ったのは、やはり新型コロナの影響があったようだ。社内の混乱というマイナス面だけでなく、巣ごもり需要の増加というプラス面も改革の着手を遅らせた。

「今年、YouTubeは荒療治を断行するようです。荒療治なので、ユーチューバーにきめ細やかなケアを行う余裕はありません。トップクラスのユーチューバーといえども、一度は“解雇”の状態にする。その上で『自分たちは新しいルールを提示する。それに則って動画を配信するかどうか決めろ』と要求してくると考えられます」(同・井上氏)

 もともと「ユーチューバーでは食えない」という傾向が指摘されてきたが、2023年は一層、厳しい年になりそうだ。

註1:ラファエル「収入10分の1」で見えてきたYouTubeバブルの終焉…シバターも「再生数は5年前の4分の1」(FLASH:2022年12月14日)

註2:「TikTok動画見て商品購入」34%、食品など 民間調査(日本経済新聞電子版・22年5月26日)

デイリー新潮編集部

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