人気ユーチューバーの広告収入が激減 専門家は「今年は例外なく全員が“解雇”状態に」

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ライバルの影響

 芸人の苦戦は、YouTubeランキングのニュースサイトであるユーチュラの発表を見れば一目瞭然だ。

「23年1月のランキングで、チャンネル登録者数のベスト50位に入っているお笑い芸人は、26位の中田敦彦さん(40=同502万人)だけです。おまけに中田さんのチャンネルは教養系に位置づけられ、お笑いの要素は少ない。純粋なお笑いとなると、江頭2:50さん(57=同361万人)が52位で健闘しています。しかしその他は、ベスト100まで範囲を拡げても名前が出てきません」(同・記者)

 対象を芸能人全体に広げても、ランキングに名前は見当たらない。二宮和也(39)、中丸雄一(39)、山田涼介(29)、菊池風磨(27)の「ジャにのちゃんねる」(366万人)が51位と気を吐いているくらいだ。

 例外的にミュージシャンだけは健闘しているが、俳優もモデルもタレントも、公式チャンネルの登録者数はさほど多くはない。

 今も昔も、人気のユーチューバーは“副業組”ではなく“本業組”なのだ。にもかかわらず、その“本業組”が広告収入の減少を訴えている。一体、何が起きているのか。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「最も大きな原因は、YouTubeのライバルが相次いで登場したことです」と言う。

「『1日に何時間、ネットの動画を視聴しているのか』について、複数の調査結果が発表されています。それによると、世界平均は1日に1時間から3時間だそうです。2005年に誕生したYouTubeは、長年この時間を独占してきました。ところが近年、強力なライバルが登場し、視聴時間を巡って激しい争奪戦が繰り広げられるようになりました」

レッドオーシャン化

 YouTubeの牙城を切り崩したのがTikTokだ。2016年に中国でリリースされ、18年頃には世界的な人気を獲得した。

 同じ頃、広告収入に頼らないサブスクリプション(定額・継続購入制)による動画配信サービスも急速に加入者を増やした。

 2007年から事業を開始したNetflixは、16年に世界展開。同年にはAmazon Prime Videoもサービスを開始した。

「『1日に最大3時間』という視聴時間を巡って、YouTube、TikTok、Netflix、Amazon Prime Video、Huluといった企業が激しく争っています。これまでYouTubeはブルーオーシャン(競争のない未開拓市場)のメリットを存分に享受してきました。ところが突然、レッドオーシャン(競争の激しい市場)に叩き込まれてしまったのです」(同・井上氏)

 先に紹介したFLASHの記事で、シバターは「YouTubeの視聴回数減少」について興味深い見解を示している。

《わたしもラファエルさんもヒカルさんもみんなだいたい同じだと思うんですが、2017年あたりが一番視聴回数がよかったかもしれないです。今から5年くらい前がたぶん一番数字が取りやすかった》

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