不可解判定で世界戦が大炎上 それでも「亀田興毅」が興行プロデュースに奔走する理由
ボクシングへの恩返し
選手時代とは全く違う世界――。亀田氏の苦悩は絶えない。
「1月6日のイベントは全11試合だったので、22人のボクサーのスケジュールを調整する必要がある。海外から招聘する選手の場合は、ビザの手配から、国によって異なるコロナ対応にも目配りしないといけない。試合会場にしても大規模な施設はコンサートやスポーツイベントで埋まっているため、毎日のようにキャンセルが出ないか確認しますよ。それこそ、いま交渉している会場は2年後のイベント用ですから。先日のイベントでは初めて2つの世界戦を手がけたので、年末年始は寝る暇がないほどバタバタしていた。現役時代は激しい練習で全身が筋肉痛になっていましたが、いまは頭が凝り固まってます。ヘッドスパに行くたびに“なんで頭皮がこんなにガチガチなんですか?”と驚かれますね(笑)」
多忙を極めるプロデュース業の重圧に加え、ひとたびトラブルが起きれば運営側の責任を問われることも少なくない。それでもイベントを打ち続けるのはなぜなのか。
「それはボクシングへの恩返しに尽きますね。いまの自分があるのは、間違いなくボクシングのお陰なので。これまでのボクシングの試合は、興行の権利を持つジムの会長が中心になって開催されてきました。ただ、ジムで選手を指導しながら、家族や練習生まで総動員して、手弁当でイベントを仕切るのは大変な作業です。しかも、コロナ禍やファン離れの影響もあってボクシングの興行を巡る状況は年々、厳しさを増しています。そうした状況を変えていきたいと考えているんです。そのためにも、どうにかしてイベントを盛り上げる責任がある。たとえば、今回の興行のハーフタイムショーで親交のあるT-BOLANさんにライブ演奏をしてもらったのもそのためです。それに、今回は現役時代からお世話になっている島田紳助さんも観に来てくださいました。僕がリング上で挨拶した際に、不意打ちで紳助さんのことを紹介したんですが、それが大きく報じられまして……。紳助さんは“お前なぁ、あれは反則やぞ(笑)”と苦笑いされてました。僕の考えるキーワードとしては、“3150FIGHTは何かが起こる”。そのために今後も、お客さんを喜ばせるサプライズを提供していきたいな、と。次回の『3150FIGHT vol.5』は初の東京進出なので気合いも入ってますよ。試合はもちろんですが、ハーフタイムショーにもアッと驚くようなアーティストをブッキングしたいと考えています」