不可解判定で世界戦が大炎上 それでも「亀田興毅」が興行プロデュースに奔走する理由

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ボクシングの試合に「VAR判定」を導入

 今回のトラブルを受けて、もうひとつ亀田氏が考えていることがある。それはサッカーW杯で「三笘の1ミリ」の正当性を決定づけた“VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定”の導入だ。

「銀次朗の悲劇は絶対に繰り返したくないし、誰もが納得できる判定を下してもらいたい。そうした思いから、今後、『3150FIGHT』ではビデオ判定を取り入れることを計画しています。これはボクシング界全体を見渡しても先駆的な取り組みです。試合をプロデュースするようになって気づいたのですが、会場となる施設は多岐にわたり、全ての角度から確認できるように判定用のビデオを設置するのは難しいケースもある。ただ、そこは選手のために頑張らなければいけないな、と。幸い『3150FIGHT』は、『ボクシングチャンネル』を新設したABEMAとの関係が深い。優れた映像技術を持つABEMAやJBCとも調整して、次回のイベントからVAR判定を導入できればと考えています。トラブルが起きたとしても、それを次に活かすことで新たなボクシング興行のスタイルを作り上げていく。そもそも、うちのイベントはまだまだ“新参者”なのでトラブルはつきもの。何かが起こるたびに変えることで進化していくしかないんです」

「3150FIGHT」は、2021年12月に第1回興行を開催したのを皮切りに、この1年余りで6回のイベントを手がけるまでに成長。それでも、亀田氏は「興行の世界では1歳児。ハイハイから始めて、ようやくヨチヨチ歩きができるようになったくらい」と語る。

「第1回の頃は客席もガラガラだったし、いまでも観客を呼び込むため常に頭を悩ませています。立ち上げ当初は、ボクシングジムの主催ではない試合がほとんど存在しなかったので、マッチメイクにもかなり苦労しました。全国のジムに掛け合って、うちがイベントという“箱”を用意するので、ぜひ選手を出場させてほしいと頼んでも、“亀田のところに選手を引き抜かれるんじゃないか”“亀田のイベントなんかに協力したら他の試合から締め出されてしまう”と散々な言われようで……。どうにか信頼関係を築いて、今回の大会まで辿り着きましたけど、いまだにイベントをプロデュースするのは大変としか言えません」

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