方針転換の黒田総裁、生涯賃金は12億円超? キャッシュで億ションを購入
「自己主張が強すぎて…」
ミステリーなどの小説もこよなく愛するかたわら、仕事では逆風を恐れぬ「信念の人」だった。
経済部デスクが言う。
「批判覚悟ではっきりモノを言う人でしたね。89年、消費税導入で野党から猛批判にさらされた時、主税局の中にも“ひょっとしたらひょっとするぞ”という雰囲気が漂いましたが、黒田さんは“消費税は廃止させない”と息巻いていました。“先行きが分からない時は麻雀と同じ。主体的に考え、次の手を打つしかないんだ”と言っていた。思い込んだら命懸け、というようなところがありましたね」
そうした性格が災いしたのか、財務省トップである次官には手が届かなかった。
「自己主張が強すぎて、国際金融局に出されてしまうんです。主税局は“所得税を上げるのでお願いします”と議員に頭を下げる仕事。上層部は“黒田にそういう仕事はきつい”とずっと漏らしていました」(同)
主計局が重んじられる大蔵省の中では必ずしもメインストリームではなかったものの、2003年、省内ナンバー2である財務官を最後に退官する。
生涯賃金は12億円超か
当然、粉骨砕身で働いてきた分、それなりの報酬も得てきた。公務員制度に詳しいジャーナリストの若林亜紀氏によれば、
「財務省時代の生涯賃金は推計で3億8千万円程度でしょう。退職金は事務次官レベルで7600万円弱となりますが、黒田さんは出世が順当だったこともあり、次官並みの7500万円程度は出ているのではと思います」
退官後は一橋大学教授を経てアジア開発銀行の総裁を8年務める。総裁の年収はおよそ48万ドル。当時の為替を考慮すると、3億6千万円程度の報酬があったとみられる。
「フィリピンのマニラに住み、奥さんはボランティア活動に熱心で、現地では有名人でした。チャリティーオークションで絵画を何枚も買っていて、上流階級の奥様という感じでしたね」(財務省関係者)
その後に就いた日銀総裁の年収は約3500万円。
「退職金はおそらく4500万円程度ではないか」(同)
というから、生涯賃金はざっと12億円は下らない。
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