田原総一朗が明かす妻の死を乗り越えさせてくれた「新しい恋」 「憧れの人と時々デート」

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大げさに大騒ぎ

 このとき、改めて「悩まない」ことの大切さを痛感したわけですが、実際に「悩まない」ことは案外難しい。そこで、私は些細な不安や心配でも、後に引きずらないよう、その都度、解消するようにしています。

 例えば、ちょっとでも体に不調を感じたら「大変だ!」と大騒ぎして、主治医のところに飛んで行く。何か問題があれば早期発見につながりますし、何もなければ安心することができる。「大したことではない」と無理をして泰然自若に振る舞うのでなく、大げさに大騒ぎをすることで、「悩み」を解消するのです。

 結局、人間は周りの助けなしに生きていくことなんてできません。独居老人こそそう割り切って、家族や他人に甘えながら生きていけばよいのです。

田原総一朗(たはらそういちろう)
ジャーナリスト。1934年生まれ。大学卒業後、東京12チャンネル(現テレビ東京)などでドキュメンタリー番組を制作。77年にフリーとなり、現在も「朝まで生テレビ!」や「激論!クロスファイア」で司会を務める。私生活では2度の結婚、死別を経験。著書に『さらば総理 歴代宰相通信簿』など。

週刊新潮 2023年1月5・12日号掲載

特別読物「『生涯独身』『死別』『離婚』著名人が明かす人生100年時代の『実録・おひとりさま』日記」より

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