田原総一朗が明かす妻の死を乗り越えさせてくれた「新しい恋」 「憧れの人と時々デート」
超高齢社会である日本で、もはや当たり前となっている「おひとりさま」という生き方。妻との死別を2度経験している田原総一朗の喪失感を埋めてくれたのは、学生時代の友人たち、そして新たな恋だったという――。
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男やもめに蛆がわき――そんな慣用句がある通り、妻に先立たれた男のその後の人生は、悲惨なことが多いらしい。
でも、ちょっと待った!
私なんて、49歳のときに1人目の妻を乳がんで亡くし、その後再婚した2人目の妻も70歳のときに失っている正真正銘の男やもめ。それどころか、88年も生きているうちに、一緒に仕事をしてきたテレビのプロデューサーもすでに4人が鬼籍に入ってしまった。だけどね、私は自分のことを悲惨だなんてこれっぽっちも思いませんよ。それは、私が“孤独”であっても“孤立”はしていないからでしょう。
2021年6月に内閣府が発表した「高齢社会白書」によれば、60歳以上の3人に1人が「家族以外に親しい友人がいない」という。これじゃあいけません。
「今どきメールを使わないのは田原さんくらい」
私は、人と話すことがとにかく好きなのですが、何か聞きたいことがあればすぐにその人に電話をかけてしまう。近くに住んでマネージャーをしてくれている娘からも、会うたびに“パパの携帯電話の発信履歴を見るのが怖い”と恐れられるくらい、しょっちゅう誰かに電話をかけています。
最近の若い人はメールやメッセージアプリばかりで電話をほとんど使わないらしい。でも、せっかちな私には返信を待つなんて悠長なことはできない。だから、一日に何度も人と電話で話すことになるんです。
10年前にホリエモンが刑務所から出所した際も、最初に電話をかけた相手は私だったそうです。聞けば「今どきメールを使わないのは田原さんくらいだ」って。何を言われようと、私は“電話派”なんです。
もちろん、人と直接会って話すのも大好きです。新型コロナウイルス感染症が流行する前、昼食は近所のソバ屋で取ることが多かったのですが、そこはテレビ朝日社員の玉川徹さんの行きつけでもあった。休みの日など、店に行けば玉川さんに会えるから、話がしたい一心でソバ屋に通っていましたよ。毎回同じメニューを頼んで、食事なんて二の次で議論ばかりしていました。
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