【追悼 ジェフ・ベック】インタビュー中もギターを手放さず…ステージでは白いストラト1本で通した理由

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Charが見抜いた「使用ギター1本」の秘密

 日本人にもジェフをリスペクトするミュージシャンが多い。ギタリストのCharはジェフの曲を音と映像で収録したアルバム「TRADROCK ”Jeff” by Char」をリリースした。

 意外なところでは、ピアニストの上原ひろみも挙げられる。アルバム「ビヨンド・スタンダード」でジェフの「レッド・ブーツ」を演奏した。この曲が収録されているアルバムを彼女は何度も何度も聴き、レコードはすり切れ、やがて音飛びするようになった。ジェフの音楽への愛情を込め、音飛びまでも再現して演奏している。

 ただし、ジェフの曲を演奏するアーティストは多くはない。かなり技術が高くないと、演奏できないからだ。Charやひろみ だからこそ、ジェフの曲をレコーディングできた。

 ジェフのライヴはたいがい90分から100分。時間だけでいえば、やや短く感じるかもしれない。しかし、その間に音楽が凝縮されている。MCはほぼない。「Thank you」くらいしか言わない。あとはひたすら演奏し続けている。かつて日本に、ギター侍と自称するお笑いタレントがいたが、ジェフこそ正真正銘のギター侍だ。その音からも、たたずまいからも、ギターに人生をたくしているその生きざまが感じられる。ステージでは、開演から終演まで、白いボディのストラト1本で通す。

 ほとんどのギタリストは、ステージで複数のギターを使い分ける。曲のテイストによって音を変えるからだ。長時間弾いていれば、チューニングも狂う。しかし、ジェフは1本でやり切る。音色の変化は弦を歪めるトレモロ・アームを駆使する。チューニングは演奏しながら行っているらしい。Charが筆者にそう教えてくれた。彼は至近距離で確認したそうだ。

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