【追悼 ジェフ・ベック】インタビュー中もギターを手放さず…ステージでは白いストラト1本で通した理由

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 12日に大きく報じられたギタリスト、ジェフ・ベックの死。彼と同じくレジェンド級のミュージシャンが次々弔意を表明していることからもその存在の大きさがよくわかる。
 一体、ジェフ・ベックはどこがすごかったのか。なぜ尊敬を集め続けたのか。
 本人に対面取材したこともあるライター、神舘和典氏による寄稿。

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ギター1本の職人気質

 イギリス、イングランド出身のロック・ギターのレジェンド、ジェフ・ベックが、1月11日(日本時間12日)にこの世を去った。享年78。死因は細菌性髄膜炎。突然のことだったという。

 ジェフの奏法は指で直接弦をはじくフィンガー・ピッキング。フェンダー社の名器、ストラトキャスターを弾くロック・ギタリストとしては他の追随を許さないと言われてきた。孤高のプレイヤーで、レコーディングやツアーのほかの時間は一人自宅にこもって朝から夜までギターを弾き続けていたらしい。

 代表作は、さまざまな意見があるが、ジェフ・ベック・グループ時代の「トゥルース」と「ベック・オラ」、ベック・ボガード・アンド・アピス時代の「ベック・ボガード・アンド・アピス」、ソロ作「ブロウ・バイ・ブロウ」「ワイアード」あたりだろうか。「ブロウ・バイ・ブロウ」に収録されているバラード「哀しみの恋人たち」は、ライヴのアンコ―ルでずっと演奏されていた。

 遺作になったのは、ジョニ―・デップと共作した「18」。2人の出会いは両国国技館で行われた「THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016」。ジェフの楽屋をジョニーが訪ねて意気投合。約3年をかけてアルバムを制作した。ジェフの最期をジョニーが見舞ったと報道されている。

 日本では1970年代より、エリック・クラプトン、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジとともに“3大ギタリスト”とされてきた。イギリスのブルース・ロック・バンド、ヤードバーズに在籍していた3人だ。バンドに参加した順番では、クラプトン、ジェフ、ペイジと言われるが、年齢は逆で、ペイジ、ジェフ、クラプトンの順。それぞれ1歳違いだった。

 この3人のなかで、ジェフは音も姿も圧倒的に若々しい。年齢を重ねても枯れた様子はなく、Tシャツの袖を肩までまくって、エネルギッシュに演奏していた。

 ジェフはひたすら“ギター・プレイヤー”であり続けた。ストラトキャスターを追求し、リスナーがまだ耳にしていない音を生み続けた。“包丁一本”ならぬ“ギター一本”の職人気質のギター弾きだった。

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