親の名前も出したもん勝ち! Cocomiに次いで貴乃花次女も…変わりゆく2世タレントたちのデビュー戦略
2世に葛藤はもういらない? 親も自分も「傷つけることのないデビュー」への支持
「人を傷つけない笑い」の時代と言われて久しいが、2世のデビューもまた「誰も傷つけない」方向になっているのではないだろうか。偉大な親への反目や、2世であることの自虐を交えず、下積み経験が無かろうが堂々と画面の前に立つ。鈍感に思われても卑屈さを感じさせるよりはいい。そんな変化を感じる。
「踊る!さんま御殿!!」で顕著な、“芸能人ズレ”している家庭のエピソードを語る2世たちは、どれも似たり寄ったりでお約束の域を超えてこない。我が家はやっぱり変ですよね、と親を下げて一般人におもねるより、ズレてて何が悪いの?自慢の親で何が悪いの?と開き直れる2世の方がインパクトを残しているのではないだろうか。
代表格が桑田真澄さんの次男であるMattさんだ。最初こそその外見にバッシングはあったものの、我が道を貫きつつポジティブな雰囲気は徐々に人気を勝ち得ていった。親子で仲むつまじい様子もまた、育ちの良さを印象付けている。一方、花田さんやジャガーさんの息子など、批判されがちな2世の共通点は、親をバカにした発言や一貫性のない振る舞いにあるように見受けられる。
親の名字を使わずに頭角を現した2世たちも、反発ではなく尊敬がベースにあるのが今っぽい。中野英雄さんの息子・仲野太賀さんや、哀川翔さんの娘・福地桃子さんも、オーディションを経て数々の役を勝ち取り、今や実力派の若手として有名だ。必要以上にひけらかしもしないが、父親との仲は良好であるという。プロ野球選手を父に持つ山田裕貴さんもまた、父への憧れが芸能界入りのきっかけだったと語り、演技の勉強やエキストラ出演といった下積み時代を経て花開いた。渡辺謙さんを父に持つ杏さんや、三國連太郎さんを父にもつ佐藤浩市さんといった、俳優業も私生活も豪快な親との確執を越えて、というストーリーは、今の2世にはむしろ避けたいものになっているのかもしれない。佐藤さんといえば息子の寛一郎さんとの共演も果たしており、共演者から「現場ではすごくいいパパ」と言われ、うれしそうな笑みを浮かべていたのが印象的だ。
次ページ:紅白でも目立った2世勢 愛される2世ではなく憎めない2世という到達点へ
[2/3ページ]