由美かおるが語る「終活」をしない理由と充実の「おひとりさま」生活 英会話やアコーディオンにも挑戦
不安にさいなまれても仕方ない
食事でいえば、昼と夜は仕事仲間や友人を誘って食べることが多いでしょうか。好き嫌いはほとんどなく、肉でも魚でも野菜でも食べます。お酒も食前酒程度ですが、ビールにワイン、焼酎、と何でも飲む。
心がけているのは、とにかく“自然体で”ということくらい。カロリーがどうとか、栄養素がどうとか、頭の中で考えながら食べているとくたびれてしまいますから。
この“自然体”は食事だけでなく、美容もダイエットもそう。今でもお風呂上がりは化粧水くらいしかつけないし、体形を気にして体重計に乗ることもありません。それでも15歳から体のサイズはほとんど変わっていませんから、細かいことは気にするだけ損なのです。
そうそう、ひとり暮らしをされている同世代の方たちはお風呂での事故も心配の種なんですってね。滑って転んだり、温度差でヒートショックを起こしたり。私もオイルヒーターで浴室を温めておくなど最低限の対策はしています。でも、それだけ。
一人で転倒したらどうしようなんて、いたずらに不安にさいなまれても仕方ないじゃないですか。人間、がんになるときはがんになるし、コロナに感染するときは感染する。年を取ればいつ何時、何があるか分からないのはみんな同じはず。注意深くなるのは結構ですが、気を付ける余り、リフレッシュの場であるはずのお風呂も楽しめなくなるのでは本末転倒です。
これは別に私が“お風呂好き”だから言っているわけじゃないんですよ。「水戸黄門」の「かげろうお銀」の役で通算200回以上入浴シーンを撮影してきましたから、私はよほど入浴が好きだと勘違いされるんですが、実は長風呂は大の苦手。少し長湯をするだけですぐにのぼせてしまうので、お湯に漬かっているのもせいぜい2~3分なんです。
終活をしない理由
私が「終活」をしないのも、死んだ後のことを心配し過ぎることに抵抗を感じるから。それに終わりに向けて活動するというのは何とも気分が上がりません。
身辺は常に整理整頓が行き届いているようにしていますけど、それはあくまでも気持ちが良い状態で生活できるようにするため。自分が帰ってきたときに快適と思える部屋にしておけば、もしものことがあったときにも焦らずに済みます。
整理整頓のコツは“しまいっぱなし”にしないこと。収納の奥深くまで物をしまいこんで、数年後に「あら、こんなものが出てきた」では、整理整頓とはいえません。自分が把握できる以上の量をため込まないようにすればよいのです。
それから、私の自宅は、すべての部屋で段差をなくし、床をフラットにしていますが、これもバリアフリーというよりも、快適に暮らすためです。やっていることは同じかもしれませんが、この気の持ちようこそが大事なのです。
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