由美かおるが語る「終活」をしない理由と充実の「おひとりさま」生活 英会話やアコーディオンにも挑戦
超高齢社会である日本で、もはや当たり前となっている「おひとりさま」という生き方。女優・由美かおるが語った、知らないものに挑戦しまくる充実した日々、そして終活を一切しない理由とは――。
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もう長い間、芸能界で活動してきたけれど「おひとりさま」なんてテーマで取材を受けるのは初めて! だからとても楽しみにしていたんです。
私ははやりの「終活」なんかもしたことがないし、アレができないコレができないと、年齢を理由に何かを諦めるのもイヤ。これまで独身でやってきたけど、今後、結婚をしないとも言い切れない。もう72歳だから体に無理をかけるようなことはできないけれど、新しいことにはどんどんチャレンジしていきたいの。1986年から25年にわたってレギュラー出演してきた「水戸黄門」を降板したときもそうでしたから。
60代で人生初の山手線に
当時、番組を卒業した私が最初に始めたのは“電車とバスに乗ること”でした。それまでの25年間はどこへ行くにも飛行機、新幹線、自動車での移動。自分で切符を買って電車やバスに乗ることなんて一度もなかったんです。
当時の私はちょうど還暦を迎えた頃。普通なら、仕事をリタイアして静かに余生を……って年齢なのかもしれませんが、「みんなが普通にやっていることをやってみたい!」とふと思ったんです。
初めて山手線に乗ったときには「渋谷と原宿ってこんなに近いんだ!」と車移動では分からなかった発見もあって感動したことを覚えています。そもそも、街中を歩くということがなかった私には、ちょっとしたショーウインドーを見るだけでも十分すぎるほどの刺激でした。スタッフやマネージャー任せだった移動も、雑踏に紛れてひとりで歩き回るだけでこんなにも楽しいなんて。
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