ガーシー議員「任意」から「強制」で高まった逮捕の可能性 「杉並4億円空き巣事件」との関連は?
点と点がつながった
一方、今回、家宅捜索が行われた杉並区のマンションの一室にも注目が集まっている。ここはガーシー氏のYouTube動画の広告収入などを管理していた合同会社の前代表A氏(31)の実家なのだが、年末に「別の事件」が発生していた。
「昨年12月29日に、ここの住人から『空き巣に入られ、総額4億円相当の暗号資産や貴金属が盗まれた』という110番通報が入り、窃盗事件として警視庁が捜査に入っていたところだったのです」(同)
この事件については、1月5日にAERA dot. が、被害者とされるA氏の話を中心に詳しく報じている。記事によれば、盗まれたのは《金とプラチナのインゴット(塊)、銀貨といった貴金属類が2億円相当、現金が日本円で2千万円、米ドル、タイバーツなどの外貨500万円分、ビットコインなど複数の銘柄の暗号資産約2億円相当(時価)が入った「レジャーナノ」と呼ばれる暗号資産保管用のUSB端末、ロレックスやウブロといった高級腕時計8個(計1600万円相当)》。
ガーシー氏周辺で起きていた仮想通貨トラブル
かつて仮想通貨事業を一緒に手がけていたA氏の仲間だった女性が、窃盗事件の糸を引いていると訴えるA氏の主張も紹介されていた。だが、記事には「ガーシー」という記述は一切出てこない。今回の家宅捜索で、窃盗事件とガーシー氏がつながったのである。
「ガーシー氏が過去にやっていたYouTubeチャンネルは、一時、登録者数が120万人に達し、毎月数千万円の利益が出ていたとされます。その入金口座を管理していたのがA氏。ガーシー氏はその利益でBTS詐欺で作った借金の返済に成功した。しかし、昨年7月にYouTube側がガーシーチャンネルをバン(アカウント停止)して以降、“ガーシーマネー”で潤っていたドバイ人脈に亀裂が入り始めていた。その一つがXという仮想通貨事業をめぐるA氏周辺の仲間割れで、A氏はかつての仲間に狙われて4億円相当の暗号資産などを盗まれたと主張しているのです」
こう語るのは、ガーシー氏のドバイ人脈に詳しい関係者だ。
「ただし、Xのビジネスにガーシー氏はまったく関与していません。この事業は、A氏が別の事件で国際指名手配を受けているB氏らと組んで手がけていたもの。B氏は現在ドバイに滞在しており、背後に暴力団組織がついているとされる人物です。ガーシー氏と行動を共にしているとされ、ガーシー氏はA、B両氏らと『ガーシーコイン』という仮想通貨事業を展開しようとしたこともあった。ただ、それは頓挫したようです」(同)
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