近藤健介に“恨み骨髄”、パ4球団に「報復説」 WBCすら利用する“寝業師”の対抗策とは
容赦ない内角攻めも
昨季のパ・リーグの優勝争いでは、オリックスがソフトバンクを最終戦で逆転し、劇的な2連覇を達成した。近藤の移籍先は覇権争いに直結するだけに、この2球団がしのぎを削るのは必然でもあった。
「確かに近藤は出塁率の高さなどで好選手ではある。しかし、ホームランなど長打の怖さがあるわけではなく、試合を決めるバッターではない。出し過ぎと言われるほどの好条件になったのは、時勢に恵まれた部分があったと思う」(セ・リーグ球団編成担当)
いずれにしても今季、4球団にとって近藤は敵となる。楽天と今季が4年契約の3年目を迎える島内宏明外野手は、同じポジションで年齢も近い近藤の巨額契約を念頭に、複数年契約中にも関わらず、契約更改の席上でFAを要望するという道理が通らない要求を出した。ただちに謝罪に至ったが、島内の他にも嫉妬や羨望の念を抱く選手は少なくないだろう。
「選手同士は相手の年俸が頭の中に入っているもの。対決する時によぎることはよくある。今回の近藤のケースでは敵選手に発憤材料を与えた。近藤へのマークを強めるようフロントが指示する球団もあるだろうが、それがなくても現場で対近藤に向けての士気は高まると思う。バッテリーが内角の際どいところを容赦なく攻めてくる可能性も十分にある」(元NPB球団監督)
日本代表で“銭ゲバ”払拭か
しかし、そこは交渉術と相通じる、したたかさで知られる近藤のことである。この元監督は開幕前から得意の「寝技」を仕掛けてくると予測する。
「オリックスの福良GM、中嶋監督に対してはもちろんだが(試合前練習で談笑するなど親密さが知られている)、西武相手の最初のゲーム前の練習などでは松井(稼頭央)監督らを懐柔してくるのではないか。横浜高校の関係者に聞くと、近藤は年下で自分より実績が低い選手には、かなり当たりが強いそうだが、自分より実績がある選手や年長者らにはすり寄ってきて可愛いところを見せてくる」
近藤がこのほど日本代表入りした、3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に関連する行事も、「銭ゲバ」のイメージを払拭するためのロビー活動の場となり得る。
「2月には宮崎で代表合宿が始まる。(争奪戦に参加したロッテの)吉井(理人)監督も日本代表の投手コーチで、各球団の選手や関係者が集まるだけに、出回っているであろう自らの悪評を消すにはいい機会。近藤は、そのために以前からWBCへの出場を熱望していたのではないかとさえ思える。本来なら新天地(ソフトバンク)での初めてのキャンプで自らの調整に専念したいはずだから」(同)
果たして近藤の対抗策は奏功するのか。まずは開幕後のパ4球団のバッテリーの近藤に対する配球が注目される。
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