勝新太郎が生前語った「唯一、かなわないと思った俳優」、市川雷蔵が涙を流しながら語った身の上話… 俳優・三夏紳が明かす「大映」秘話
かつて銀幕スターという言葉には格別の響きと輝きがあった。名画や名優をあまた世に送り出しつつ時代の流れの中で消えた1942年設立の映画会社「大映」は、昭和の邦画黄金期の象徴だ。その大映で新人登用された俳優が語る、巨星二人の味わい深き思い出話。
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勝さんには撮影所のメーキャップ室で初めてお会いしました。1962年のことです。あのドスの利いた低い声で、
「お前か、俺の代わりをやってくれたのは」
そう呟いて、ギョロッとした目で私を見る。...