競馬ファンから馬主に! 「ジャングルポケット」斉藤慎二が語り尽くす、愛馬と地方競馬への熱い思い
競馬をこよなく愛し、競馬を生業とする芸人――いわゆる、「競馬芸人」たちの活躍が昨今目覚ましい。ビッグレースが行われるたびに、彼らの予想はスポーツ紙に大きく報じられ、それが当たっても外れてもメディアに必ず取り上げられ、毎回ネットで大きな話題になる。さらに、競馬番組のゲストとして頻繁に登場し、自らの競馬愛を惜しみなく披露するのも、もはや定番となった。そんな競馬芸人の一人、お笑いトリオ「ジャングルポケット」・斉藤慎二さん(40)は、2021年、競馬愛が高じて、ついに地方競馬の馬主になってしまったという。一競馬ファンではなく、馬主としてみた競馬界とは。本人に話を訊いた――。
【写真】愛くるしいジャンポケ産駒・オマタセシマシタ号とじゃれ合う斉藤さん
略してジャンポケ
斉藤さんは1982年、千葉県八千代市出身。俳優を志し、大学卒業後、文学座の門を叩くも、研修生昇格の査定で不合格に。一般企業に就職後、一念発起して吉本総合芸術学院(NSC)へ入学。2006年、おたけ(武山浩三)さん、太田博久さんとともに、お笑いトリオ「ジャングルポケット」を結成し、現在に至る。
――そもそも、「ジャングルポケット」という芸名は、2001年の日本ダービー、ジャパンカップを制した名馬の馬名。競馬ファンの間では有名な話だが、ということは斉藤さん、ジャングルポケットの熱烈なファンだったのか。
斉藤慎二さん(以下、斉藤) 昔からの競馬好きで。きっかけは中学生の時でした。茂原市にある親戚の家に一族で集まったのですが、その時に、みんながテレビの前に集まって競馬中継を見ていたんです。もう全員大興奮で、「競馬ってすごいな」と思い、親父に頼んで競馬場に連れて行ってもらったのが始まりでした。以降、人生のほとんどの時間を競馬とともに過ごしてきたんですが、ジャングルポケットが活躍していた頃だけは、競馬から離れ、演劇に夢中になっていました。実はリアルタイムで応援していたわけではないんです。2006年にお笑いトリオを結成する際に、馬の名前がいいだろうということになり、僕は、好きだった別の馬名を推したんですが、当時、絶大な権力を持っていたおたけに却下されまして。
――それで、芸名がジャングルポケットになった。
斉藤 はい。今ではとても気に入っています。ファンからはジャンポケと略して、親しみを込めて呼んでいただいています。
客から酒をぶっかけられて
――2013年からはテレビ東京の競馬中継番組「ウイニング競馬」の司会に抜擢されて。まさに、好きなことが仕事に直結した。
斉藤 はい、本当にありがたかった。ただ、最初の1年は、苦痛でしょうがなかったですね。「芸人が司会やってるんじゃねえ」「さっきの間はなんだ?」とネットで叩かれまくってましたね。競馬場からの中継のときに、お客さんから酒をぶっかけられたこともありました。「お前のせいでテレビ東京が嫌いになったんだよ」と言われて。まあ、言われても仕方ないくらい、ひどかったと思います。テレビにも出だしたばかりで、生中継なんて経験はほとんどありませんでしたからね。とはいえ、10年も続けさせていただいて、今ではもう、毎週仲間に会うのが楽しみです。
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