日本語で<大麻販売しています>の看板も 元刑事を仰天させた「大麻合法化」タイの実態
アフターコロナで世界中から観光客が集まる人気渡航先といえば、微笑みの国・タイ。成田からも飛行機で約7時間と比較的短いフライトで行けることもあり、日本人観光客からも絶大な支持を得ている国のひとつだ。コロナによる規制が緩和された昨年11月からは、ビザがなくても45日間の滞在が可能となり、タイ人気はますますヒートアップ。昨年1月にはわずか2400人だった日本人渡航者は、昨年11月には4万6000人を突破している。ちなみに2019年の日本人渡航者は年間180万人というから、まだまだコロナ前には遠く及ばないものの、着実に復調しているのもまた事実なのだ。そんなタイに今、大きな異変が起きているという。そう、昨年6月から、条件付きながらタイ国内での大麻の使用が解禁されたのだ。現在、バンコクに滞在中の犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が、タイの今を、現地からお届けする。
堂々と販売
小川氏は、年末年始はバンコクに長期滞在し、仕事をしながらバカンスを楽しむ、いわゆる“ワーケーション”を毎年のルーティンとしている。だが、昨年、一昨年はコロナ禍の影響で叶わず。年末年始の渡航は実に3年ぶり。
「タイは治安も良いし、本当に居心地が良くて、リラックスして過ごすことのできる、お気に入りの国なんですよ。そんなタイで、去年の6月に、大麻が解禁になった。今回の渡航では、それがどんな影響を及ぼしているか、見極めたいという思いがありました。もちろん、渡航前に現地の知人から“大麻の看板が出ているお店がある”とは聞いていました。ただ、現地で実際にどのように売られているのか、実態までは日本からではなかなかわからない。というわけで、現地に到着したらすぐ、大麻が売られているという場所に行ってみることにしたのです」
タイに到着した小川氏がまず向かったのは、バンコクの中心地「シーロム」の一角にあるタニヤ通り。日本人向けの飲食店やマッサージ店、日本人向けカラオケなどが数多く集まる、一大歓楽街だ。
「着いたのは夕方5時くらいでした。予想した通り、日本人向けの大麻を売るお店があり、すでにオープンしていた。正直なところ、もっとこっそり売られているのかなと思っていたのですが、大通りに面した看板に、大麻の値段が書かれたメニュー表が張り出されていました。大麻にもさまざまな種類があるようで、それぞれ値段が少しずつ違っていますが、どれも1グラムあたり600バーツから900バーツ。日本円で2400円から3600円くらいの価格帯です。あまりにもオープンに堂々と売られていて、本当に驚きましたね」
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