「Colabo問題」追及で7000万円の支援金を集めた男性が独占告白「これはネット界におけるウクライナVSロシアの戦争です」
「無職一般富裕オタク男性」
この動きに対して、暇空氏は怯むどころか「徹底抗戦」を表明したのだった。12月7日には、Twitterで裁判闘争の支援金募集を告知。24時間で約2200万円ものカンパを集めた。その後、支援金は約6800万円にまで達している(1月4日現在)。
正月明けの1月4日には、暇空氏が都に対して起こしていた住民監査請求の結果が公表された。監査を行った東京都監査事務局は、不正受給があるとした暇空氏の大半の主張について「妥当でない」としたが、領収書に示されていない支出など一部において「不適切な点」があるとし、高額な食事代などは「妥当性が疑われる」と指摘。2月末までに、都に対し経費の実態を再調査するよう勧告したことで、この問題にますます注目が集まっているところなのである。
たった一人でここまでネット世論を騒がせ続ける暇空氏とはいったい何者なのか。ここからは本人の話を聞いていこう。インタビューは都が住民監査請求結果を公表した翌日の1月5日、zoomで行った。
暇空氏は40歳の独身。もともとはゲーム開発者として働いていたが、「いまはほとんど仕事をしていない」と話す。自ら「無職一般富裕オタク男性」と名乗るほどの資産を有するようになり働く必要がなくなったというのだ。資産は親から譲り受けたものではなく、“執念”でもぎ取ったものだと語る。
最高裁まで争い6億円をゲット
「大学を卒業後、07年にセガに入社しゲーム開発者のキャリアをスタートさせました。当時はソーシャルゲームブームが隆盛し始めた頃で、自分も開発したいと上司に企画書を出したのですが取り合ってもらえず5年で退職。ソーシャルゲームに特化したgloops社に転職しました。そして、その会社で一緒だったメンバー数人で12年にグラニ社を立ち上げたのですが、独立してまもなく、僕が中心となって開発した『神獄のヴァルハラゲート』というソーシャルゲームが大ヒットしたのです」
これによりグラニ社は時価総額100億円近くにまで急成長。だが、その後、暇空氏と社長の関係は悪化してしまう。最終的に8%持っていた株を奪われ、会社を追われてしまうことに。怒った暇空氏は社長を相手取り、2013年に9億円の損害賠償を求める裁判を起こした。そして、提訴から7年かけて最高裁まで争った末、6億円の賠償命令を勝ち取った。
「これだけ高額な損害賠償請求を起こすには莫大な弁護士費用がかかります。僕は勝訴するまでは、約2000万円の借金を抱えているピンチにありましたが、途中、相手方が提案してきた3億円の和解案も蹴ったうえで、勝利を収めたのです。弁護士は『100人中100人が和解します』と青ざめていましたが、僕は納得できない理由で妥協ができない性格です。この姿勢はColabo問題でも貫いています」
0円か6億円か。人生を賭けた勝負を見事制し億万長者になった暇空氏。だが、消費生活にほとんど変化はなかったという。
「もともとあまりお金を使わないタイプなので、家や高級車も買わなかった。キャバクラ遊びとかにもまったく興味がない。あえて言うなら、日用品などを買い物する際、値段を気にしないようになったくらいです。これだけの資産があって散財しなければ、働かなくても十分食べていけます。この資金力とあまりある時間があるからこそ、Colabo追及活動が続けられているのです」
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