スター不在の東大王 番組の生き残りをかけて絶対出演してほしい逸材が一人だけいる

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 TBSの人気クイズ番組「東大王」が窮地に陥っている。昨年最後の放送となった12月14日の3時間SPは視聴率が5・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。とうとう昨年は、1度も2桁の視聴率を取ることはなかったのだ。あれほど人気だった番組は、なぜ凋落したか。そして生き残る道はあるのか。

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 2017年4月にスタートした「東大王」は今、7thシーズンを放送している。これまでの最高視聴率は20年3月18日放送の12・5%だった。TBSの看板番組として、新ドラマの出演者たちもPRを兼ねてやってくる、ミニ「オールスター感謝祭」のような番組となっていた。ところが、昨年の最高視聴率は2月16日放送の8・2%、あとは5~6%をウロウロするようになっている。民放プロデューサーは言う。

「正直言って、ゴールデン枠の損益分岐点を下回る数字だと思います。業界では、今春にも終了する可能性があると見る人は少なくありません」

 なぜ、こんなにも数字が落ちているのか。

「よくよく考えれば、出演する東大生はみな素人で、タレントでもなんでもない。彼らと対抗する芸能人チームを見ても、宮川一朗太や元フジテレビの局アナ・富永美樹では“あの人は今?”状態ですから、とても堂々とゴールデンを張れる布陣とは言えません」

 それでも、かつては人気だった。

伊沢も凋落

「世間の支持を受けたのは、初代大将の伊沢拓司(28)、日本テレビの『最強の頭脳 日本一決定戦! 頭脳王』で2連覇したあと2代目大将となった水上颯(27)、さらに、“スタンフォードが認めた才媛”鈴木光(24)らの人間離れしたクイズ力があったからです。『東大王』に出演中、彼らは他局の番組に出ることはなかった。視聴者にとって『東大王』はオンリーワンで、ここでしか見られない必見の価値も生まれました」

「東大王」には今も現役の東大生が出演を続けている。

「伊沢、水上、鈴木という3人の“絶対神”がいなくなったことが大きいですね。神がかり的な回答力を持った伊沢、“東大医学部のプリンス”と呼ばれた水上、才能のみならずビジュアルも大画面テレビにフィットした鈴木でしたが、彼らにも“卒業”はやってくるわけです。その穴を埋められなかったということでしょう」

 伊沢は今も「東大王」に出演し続けている。

「彼は東大の大学院を中退した後にクイズの制作会社を起業し、自身も芸能事務所のナベプロに入ってタレント化しましたからね。神がかり的な絶対性は失われ、単にクイズのよくできるタレントになってしまいました。ハングリー精神も失われ、東大王との1対1の対決でも、あっけなく敗れることが増えています」

 ヒロミ(57)のMC力も大きかった。

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