5年99億円でメッツ入りした「千賀滉大」 専門家が「とてもいい球団を選んだ」という根拠
先月、ニューヨーク・メッツと5年で総額7500万ドル(約99億円)の大型契約を結んだ千賀滉大投手(29)。育成出身のメジャーリーガーは前例がないというが、早くも先発ローテーション入りが期待されている。
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千賀は2010年、育成ドラフト会議でソフトバンクに入団。2012年から一軍に抜擢され、2016年の12勝を皮切りに、今季まで7年連続二桁勝利を挙げた。通算11年で87勝44敗、防御率2.59。2019年にノーヒットノーラン、20年には最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振の三冠を獲得した。
3番手か4番手
「5年で7500万ドルの契約は、私の見立てでは妥当な線でしたね。オーナーのスティーブ・コーエンは大富豪ですから、大盤振る舞いができるのです。彼にとっても、なかなか良い球団を選んだと思います」
と解説するのは、メジャー評論家の友成那智氏。
「千賀は、ハイファストボールと“ゴーストフォークボール”と呼ばれる落差が大きいロースプリッターを武器にしています。この2つを得意とする投手はメジャーで成功しています。野茂英雄、佐々木主浩、上原浩治がまさにそうでした」
先発ローテの何番手で起用されるのか。
「メッツは先発陣が厚く、マックス・シャーザーと、先月入団が決まったジャスティン・バーランダーがいます。どちらもサイ・ヤング賞を3回獲得した投手で、彼らが1番手2番手を務めるでしょう。千賀は、2017年に最多勝を獲得したカルロス・カラスコとともに3番手か4番手になると思われます」
3番手4番手だと、対戦チームのエース級と当たることが少ないので、プレッシャーもかからないという。
「メッツは、リリーフ陣も充実しています。7回、8回を任せられるリリーフ投手がいますし、9回には、通算7年で205セーブを挙げた守護神のエドウィン・ディアスがいます。6回までに2、3点リードしていれば勝ち星がつく可能性が高いですね」
メッツの本拠地のシティ・フィールドは、ホームランが出にくいことで知られる。
「千賀のハイファストボールはフライになりやすいので、広い球場では有利です。外野手のブランドン・ニモとスターリング・マルテも守備範囲が広く、失策はほとんどありません。千賀にとってはプラス材料でしょう」
正捕手のトマス・ニドはワンバウンドの捕球が上手いという。
「千賀とすれば、武器となるゴーストフォークを思い切って投げられると思います」
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