NHK紅白 惨敗の原因は第2部の失敗にあり…そんな中で唯一株を上げた人と言えば?

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レコ大と被った

「NHKにとって誤算だったのは、1部でSEKAI NO OWARIが『Habit』を、続いて三浦大知が『燦燦』を、連続して歌ってしまったことです。この2曲は、前日に放送された『第64回日本レコード大賞』(TBS)の大賞曲と最優秀歌唱賞で披露された曲です。つまり、数少ない今年を代表する2曲を、前半で消化してしまった。このことが後半に聴き応えがある曲が乏しくなった一因にもなりました」

 昭和の紅白は夜9時スタートの1部制だった。当時は「レコード大賞」も大晦日の夜に放送されていたため、授賞式を終えた歌手たちがNHKホールへと駆け込む姿が名物にもなっていた。ところが、紅白が夜7時台スタートの2部制になると、レコ大の視聴率は大きく低下。それが一因となり、レコ大の放送は前日30日となった。今頃になって大ブーメランというわけだ。

「他にも前半は、Aimer(エメ)が歌うアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』のオープニングテーマ『残響散歌』や、数字を持っていそうな郷ひろみ、天童よしみ、坂本冬美などを使ってしまいました。それでも後半は、工藤静香とCocomiの母娘共演、純烈&ダチョウ倶楽部に有吉弘行、定番のディズニースペシャルメドレー、フルメンバーでの紅白出場が最後となったKing & Prince、氷川きよしの休養前最後の熱唱と、布陣は悪くなかった」

 2部にもマズいところが?

アミューズ祭り

「大物の出場を小出しに発表したのも批判されましたが、いざ始まってみると、その多くが“特別企画”での参加でした。そもそも特別企画だらけで、もっと視聴者が楽しめるお祭り騒ぎにすればいいのに、カッコつけてスタイリッシュな映像を混ぜてみたりするものだから常連の視聴者を戸惑わせてしまいました。桑田佳祐たちが『時代遅れのRock'n'Roll Band』を加山雄三リスペクトで歌うのなら、NHKホールにいる加山と生でコラボして欲しかったし、彼らがホールに来るのならYOSHIKIらが組んだTHE LAST ROCKSTARSを当てるとか、見せ方はいろいろできたはずです」

 大トリの福山雅治にも違和感があったという。

「桑田はじめ、星野源、Perfumeなど、アミューズ所属の出演者が多すぎました。初出場のSaucy Dogもアミューズの系列事務所A-Sketchですし、司会の大泉洋も業務提携、K-POPグループのIVEも日本でのマネジメントはアミューズです。そして大トリに福山というアミューズ祭りとなったことも流れが淀んだ一因です。瞬間最高視聴率が福山の時で40%に届かなかったのも仕方がないかもしれません」

 なんだか褒めるところがないような。

「今回の紅白で唯一、感心したのは、司会を務めた橋本環奈です。福岡出身らしく声がよく通るし、滑舌も良い。なにより、諸先輩ばかりの出演者に臆することなく、大泉との掛け合いも難なく、初めてとは思えぬ堂々たる司会ぶりでした。有村架純や綾瀬はるかなど歴代の若手司会者と比べても群を抜いて上手かった。上沼恵美子級!と言ってもいいほどでした。肩を並べていると思われている今田美桜や生見愛瑠らを大きく引き離し、国民的女優への一歩を刻んだと言っていいでしょう」

 点数をつけるとすれば?

「30点と言ったところでしょうか。2部を上手くやればもっと数字は取れたと思いますが、むしろガッカリ感のほうが強かったですね」

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