「10増10減」で東京が熱い 新7区を狙う丸川珠代、新14区でなぜか公認されない松島みどりの特殊事情

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 新しい小選挙区を巡って、自民党からの立候補を狙う3人の女性が注目されている。1票の格差を是正するため、衆議院の小選挙区を「10増10減」させる改正公職選挙法が、12月28日に施行された。選挙区の問題は、政治家にとっては死活問題に直結することが多い。

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 まず「10増10減」について確認しておこう。選挙区が増えるのは東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知の1都4県。

 減るのは宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎の10県だ。担当記者が言う。

「減るほうの選挙区は調整が大変だが、増えるほうはそれほど問題にならないはず、と考えていた関係者も少なくなかったと思います。ところが蓋を開けてみると、これまでの計25区から5区も増え、計30区となる東京では、早くも混乱が起きています」

 自民党は12月23日、「10増10減」の対象となる15都県の134選挙区のうち、およそ半数に当たる72選挙区で、事実上の公認内定者を発表した。

 森山裕・選挙対策委員長(77)は選考基準について、《2回連続での比例復活や、直近4回で選挙区で勝ち越せていない人は選任を見送った》と説明した(註)。

 だが、森山氏の説明は正確ではない。例えば、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係が問題視された前経済再生担当相の山際大志郎氏(54)だ。

「山際さんは旧神奈川18区から選出された衆議院議員です。当選6回のうち2012年以降は選挙区で連続4回の当選を果たしました。次点の候補に数万票の差をつけ、比例復活を許していません。森山さんの説明のとおりであれば、山際さんは文句なしで公認されるはずですが、今回は保留となりました。統一教会の問題が影響したのは言うまでもありません」(同・記者)

虎視眈々の丸川氏

 自民党で激震に揺れる選挙区は、他にもある。例えば新しい東京7区だ。

 新7区は渋谷区と港区。旧1区と旧2区から港区が移行し、旧7区の品川区の一部は新3区に、目黒区の一部は新26区に、中野区と杉並区の一部は新27区に、それぞれ移動した。

「旧東京7区は2009年の衆院選から、立憲民主党の長妻昭さん(62)が連続5回の当選を果たしています。自民党の対立候補は松本文明さん(73)で、5回の総選挙のうち3回、比例で復活当選を果たしました。ちなみに昨年10月の選挙では比例復活も果たせませんでした」(同・記者)

 森山氏が示した選考基準を、松本氏は満たしていない。公認が得られないのは当然だろう。そのため「私が新7区から出馬する!」と意気込む2人の女性がいる。自民党の国会議員が言う。

「1人目の女性は、参議院議員の丸川珠代さん(51)です。彼女は安倍派に所属しており、2015年に環境相と原子力防災担当相で初入閣を果たしました。更に2016年から2017年と2021年2月から10月までの2回、オリンピック担当相を務めています」

 安倍派に所属しているだけあり、丸川氏は首相在籍時の安倍晋三氏(1954〜2022)と菅義偉氏(74)に重用された。それが逆に、衆議院への鞍替えの決心を固めさせたという。

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