「鬼滅の刃」「進撃の巨人」「呪術廻戦」新シーズン放送開始! 2023年「日本アニメ」は“第2の黄金期”を迎える

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 近年、世界各地で“ジャパニーズ・アニメーション”の人気が盛り上がりを見せている。その背景にあるのが、アニメ業界を取り巻く数十年に一度の“地殻変動”だ。その変化を追い風に今年、日本アニメはさらなる飛躍を遂げると見られている。【数土直志/ジャーナリスト】

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「日本アニメが世界で大人気」とは、もう何十年も前から言われてきたフレーズである。しかし2020年代に入って以降、この人気の“質”が明らかに変わった。一言でいえば「ファンの裾野が格段に広がった」のだ。

 日本動画協会によると、日本アニメの国外市場規模は昨年、1兆3134億円と過去最高を記録した。12年の同2408億円から実に5倍以上の伸びである。理由として挙げられるのが、日本アニメの人気が一部の「コアファン」から「一般視聴者」へと広がる“大衆化”だ。

 象徴的なのが22年8月に全米公開された「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」である。人気シリーズの最新作とあって、日本でも今年6月に公開されヒットしたが、米国では3000以上のスクリーンで上映。北米週末興行ランキングで1位を獲得したのだ。

 日本アニメの同ランキング1位は前年の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」に続くものだ。「鬼滅の刃」の1位も1998年公開の「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」以来となる、日本映画では22年ぶりの快挙だったが、“ミラクル”が2年連続で起こったことになる。

 そもそも外国映画が全米公開されること自体が珍しいなかで、両作は並みいるハリウッド大作を退けた。その理由はどこにあるのか。

フランスでは「700億円」の売上

 「ドラゴンボール」はもともと90年代から00年代にかけて海外で根強い人気を誇ってきた。長年、日本アニメを代表する“マスターピース”とされたが、これまでは劇場公開に至っても上映スクリーン数は少なく、公開期間も短かった。つまり、大ヒットとなる条件や環境を与えられてこなかった。

 人気はあっても「コア向け作品」と考えられていたからだが、いまや劇場側から“新作のドラゴンボールをぜひ上映したい”と配給会社に声がかかる状況という。

 米国でアニメ人気が拡大するのを受け、日本漫画も躍進を遂げている。21年に日本の翻訳漫画の米国での売上は前年の約2倍、フランスでは前年比66%増を記録し、年間販売額は5億200万ユーロ(約700億円)に達した。さらに日本アニメをもとにしたゲームやフィギュアの海外輸出、関連グッズの越境EC(インターネット通販を通じた世界規模での電子商取引)の急成長も伝えられる。

 これを可能にしたのが、アニメの動画配信のグローバル化だ。NetflixやAmazon Prime Video、Huluといった大手配信プラットフォームが、日本アニメを続々と世界に大量配信するようになった。しかも日本での放送とほぼ同じタイミングでの配信のため、世界中で誰でも気軽に日本アニメの最新作を視聴できるようになったのである。

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